里山部-satoyama-活動(東鷹栖)

小さな森の山主が始めた個人事業ブログ

民有林とモノづくり職人

清水です。

最近、モノづくり関係の方から「ミズナラで太さ20cmくらいの丸太はないか」と言われて、「自分の山にあります」と即答した。

あれからまだ進展なしだが、突然、木材が欲しくなるようなことがあるのだろうか。

そういうことなら、個人の山主ならすぐに動けるのが強みだろう。この強みは活かしていきたい。

 

まだ僕は、モノづくり職人たちとの交流が少なく、深い話をあまり聞いたことがない。

彼らは、森林にどんなことを求めているのだろう。どんな森が身近にあったらいいのだろう。そして森にどんな人がいればいいのだろうか。

これから交流を増やしていけたらと思う。

 

 

里山部のフィールドではカシワが多く、次いでミズナラ、わずかにシラカンバがある。

中層木にはイタヤカエデやアズキナシ、シナノキ、ハリギリ、サクラなど。

これらの樹種で、クラフトづくりしてみたい人いないかなぁ。

東鷹栖の木材、旭川の職人で作り出す「完全旭川モノづくり」

手入れ不足の森なので、間伐材として材は出る。今はもっぱら薪にしてるけど。

胸高直径20~30cmと細いのばかりだけど、細くても作れるものはあるはず。

 

そう思って、すこし前に以前の仕事仲間でお世話になっている方に、木工旋盤をお借りし、レクチャーしてもらいながら、コップづくりにチャレンジしてみた。

自分の森で切った木が、コップになる。

自分は最高だった。

が、商品として人に贈れるようなものに出来上がるまではしばらく鍛錬が必要だろう。

・・・木工旋盤も欲しくなってきた。

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本当はカラマツでこうしたコップやお皿を作りたかったが、木材がボケていてダメだった。

新鮮なカラマツが手に入ったらまたやってみたいと思う。カラマツの不遇もなんとかしたい。

モノづくりの世界をまったくしらない素人だけど、これって良い感じがするんだよなぁ。

里山部×鉄工所のコラボ!焚きつけ製造機、まもなく!?

薪割りはお父さんだけの楽しみではない!

これを使えば、子どもや女性の方だってできるんです!しかも楽しく、安全に!

 

薪ストーブユーザーなら、すでに薪づくりは家事の一つになっているはず。

ただ、大きな玉切り丸太を斧で割るのは大体、お父さん。

『やりたいよー』と子どもがきても、危ないのでさせたくない人も多いのではないでしょうか。

また、逆にお父さんの方から『お前も手伝え!』ということもあるのでは!?

 むかし、東鷹栖では小学校5,6年生から薪割りは家事の一つと聞きました。昔から家族で家の暖房エネルギーを作っていたのです。

 

 

さて、何を紹介したいかというと、薪を焚きつけ用に小さく加工できる道具です。

安全で楽しく作業ができます。結構はまります。

写真にあります本体(土台より突き出た中央に鋼の刃があり、上部の四角い枠で薪を安定させるもの)と1kg程度のトンカチだけでOK。

上に薪を置いて、上からトントン叩けば、薪が鋼の刃に食い込み、叩くほど亀裂に角度がつき、かつ深く裂けるので、下まで行く頃にはパカッと気持よく割れます。

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実はこの効果がある道具は、すでに外国で商品化され日本にも輸入されているんです。

鋳物で輸入品なので価格がちょっと高い(1万5千円ほど)と感じました。

 

『実用的で欲しいけど!高い!』と思って買わずにいると、ある時、会議で出会った鉄工所の方と話をしているときに『うちなら安くできるかも』という話で盛り上がりました(お酒が入っていたのも)。

 数日後、『こんなのどうでしょう』と本当に作っていただきました。

 その後、里山部と一緒に、商品開発していただきました。

その鉄工会社は「世良鉄工株式会社」さんです。当麻にあります。

「昔は、農家さんの要望に沿った鉄モノを作っていた」と地元に愛されている会社で

す。

 

 

 これまで、女性や子どもたちに試作品を試してもらい、、、3度の改良を重ね、、、ようやく出来上がります。※あとは錆びないようにメッキ加工をすると完成です。

 4歳の子どもでもできました。パカパカ割れるため人気で、1日中焚きつけづくりをしていました。写真はプロトタイプのもの↓

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さらにあれから改良を重ねて、より安全で、割やすくなりました。

お父さんは薪を割り、その割った薪を子どもたちが焚きつけにできるのです。

※トドマツやシラカンバなどの焚きつけに適した樹種が良く割れます。

 

小型なので、キャンプにも持っていくことができます。

地面が土でもペグを刺す穴があるので、固定できるようにしています。

結構安定しているので、固定しなくても、土の上でも支障がありません。

 

価格は1万円以下の予定です。

数日後に完成予定です。

最初は10台のみを製造・販売いたします。

今後の様子を見て台数を考えます。

完成後は、再度、詳細をお知らせをいたします。

里山部で受付を行います。

メールはこちら⇒shimizu_satoyama★yahoo.co.jp

※★を@に。

 

また、環境学習の際などでも使えます。ちょっとしたアクティビティです。

幼稚園児から小学校低学年でもきっと楽しくできるでしょう。

そうした際のレンタルも考えております。

 

また、どんなものか使ってみたい方も連絡をください。実際に使ってみてください。

山主になりたいと思ったきっかけ。

自分の森づくりをしてみたい。

責任もって保全し活用できること、とても楽しそうで、やりがいのある、良いことだと仕事を通して強く思ったのが数年前。これがきっかけで森が欲しくなった。

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――よく仕事でお世話になる地域が、旭川の東鷹栖。

欲望が高まり、東鷹栖の方々へ「山を持っていませんか」と声をかけて回った。

 

1年ほど反応はなかったが、突哨山の麓で暮らす方から「そういえば、山を欲しがっていなかったか」と連絡があった。

 

すぐに話を聞きに行った。

すると「持っていてもしょうがないから・・・」と話が始まった。なにやら、相続する前は、とても山が好きな親で植林などをしていた方だった。

ただ、過去に理由があって、植林した面積と同じ面積を代替え地として交換した過去があった。それもあり、「持っていても・・・」と思っていたところだったようだ。

 

森が好きな方がしぶしぶ代替え地として承諾した森を自分が・・・。

責任も感じた。下手なことはできないと。

買わせていただく際に、夢も語った。

里山部の構想は当初全然考えていなかったが、「子どもたちに使わせたい」という思いが強かったと思う。

 

――30年近く手を入れていないという現状も都合がよかった。

これからの手入れ次第で良くなる可能性があったからだ。

ものすごいササと稚樹に覆われ見えなくなった林道。自然の再生力に驚いた。

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――売買契約、そして登記が終わった直後にテントをもって一人で一泊した。

  雨の中だったが、関係なかった。

  気持の何かが爆発したのはこの時だ。

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占冠 ネズミ調査 後編

 ネズミの調査が主目的だったが、ヒグマに会いたいという期待もあった。

森に入るようになってから11年。いまだに野生のヒグマに出会ったことがない。

知床にいけば!という意見もあるが、野生だけど野生じゃない感じがどうも好きじゃない。

人間の天敵のような存在(語弊のある言い方は十分承知)。畏怖する存在に相対したとき、自分はどんな反応をするのか、ヒグマが発する生命力、、、それが気になってしょうがない。だから会いたい。けど怖い。

 

 この山で見た生き物たちは、身近な生き物たちばかりだが、一味違った雰囲気をだしていた。樹木たちが生き残りをかけた競争がシビアで、その迫力も里山とは一風変わっていた。僕は人が利用することありきの里山ばかりをみている。だけど、こうした人間が入らない、誰にも知られずに命をつなげている森。こうした森も絶対必要で、ずっと残っていければと思う。

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ここなら会えると思った。

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尾根筋にシラカンバの群生地があり、とても眩しい光景が広がった。

そのカバの根に一個のくぼみがあった。

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・・・よくわからない。

1個だけ、足跡のような足跡じゃないような。結局なんだかわからない痕跡。

5本の指があるようにみえるが、見えない感じもする。

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結局のところ、足跡?だけの痕跡しか見られず、今回もヒグマには会えなかった。

まぁ、まだまだ機会がある。じっくりと偶然を待つことにする。

 

 

最後に、トマムでの川の様子。

台風10号の影響で、南富良野をはじめ、あちこちでこのような悲惨な様子が見られた。

現地の方に話を聞くと、雨が降ると子どもたちが鬱になり、症状が重たい子もいると聞いた。現地のガイドさんたちも、ショックを受けている、と。

・・・心が痛い。

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占冠、ネズミ調査 前編

 「倒木注意」「落石注意」「ヒグマ出没注意」「鹿飛び出し注意」「発砲禁止」・・・現場が近づくにつれ様々な看板を目にする。道民なら日ごろから見慣れた看板だが、山奥に設置されていると不安が増す。

 そして当たり前のように携帯は使えない。

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 今回の現場は占冠のとある山林。自然保護区に指定され、天然のエゾマツやトドマツと広葉樹が混ざる混交林。標高は600m超。急傾斜。

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 内容はネズミ・トガリネズミの捕獲調査。どんな種類が捕獲されるだろうか。

生け捕り罠を100個、落とし穴を25個、山林内に仕掛ける。

 傾斜がきつく、、、設置に6時間かかった。

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毎朝罠を確認し、捕獲した個体は様々なデータを測定後、放逐する。

 ネズミは主に夜に捕まることが多い。なので、罠の中で朝まで生かしておく必要があり、中にはもっふもふの綿(ベット)と晩御飯付き(麦芽とピーナッツ)を入れておく。

 多少不自由な空間だが、外敵から身も守れるし、飯も確保されているのでネズミの皆さんにはぜひ入っていただきたい。

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―――こうして、罠を1泊してくれたネズミは丁寧に測定をする。

 罠から出すときは、罠を袋で覆い、入り口を開けてやると落ちてくる。

まさに袋のねずみ状態!・・・すいません。

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 ヒメネズミを捕獲。性別は♂。

森林棲のネズミで、ドングリや小さな昆虫を食べる。

森づくりをしてくれるネズミの一種で、こいつがいると良い森林なんだなと思う。旭川の森林にも生息している。里山部のフィールドにもいる。素敵。

ドングリをせっせと運び、食べ忘れたドングリから芽がでてくる。

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 ちなみに彼は罠の居心地が良かったのか、2日連続で捕獲され、2日連続で体重測定。1g増えて、10g。もりもり食べてる証拠です。

 

 

調査後は、腹減りまくり・・・。

カップ麺だけでは味気ないので、占冠の自然が育てたヤマベを食べようと、夕方1時間くらい釣りをした。

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残念なくらいにニジマスが釣れた。肝心のヤマベは2,3匹。

ニジマスはこの川にはいらない。逃がさず食べて駆逐するほかない!

 

そして晩飯後はコウモリ調査・・・。

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占冠の生き物たちにどっぷり浸った1日。

 あとはヒグマに会いたいな!

 

・・・続きは明日更新します。

占冠 ネズミ調査へ出発!

 今日は、里山部はいったんお休みで、僕がもう一つ行っている活動団体の

オサラッペ・コウモリ研究所(旭川地方のコウモリ相を主に調査しています)の紹介を。

 旭川はコウモリの種類が多く、市街地や住宅地をよく飛び回っているのですが、我々が気づかないので、意外に知られていない生き物です。常磐公園にだっているのに!

 そこで、毎年2,3回のコウモリ観察会を行ったり、通報があれば現地に調査にいったりと、コウモリの普及活動をしています(笑)

 

さて、

明日から17日まで、占冠の山林でネズミの調査を行ってきます。

依頼主は外国の方で、自身で購入された山を環境保全の目的で動植物のデータを集めている方です。3年前にも、ネズミとコウモリ調査をどっぷりしてきました。

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1日、100個の生け捕り罠を山に設置しながら歩き、2泊3日かけて捕獲調査をします。

100個の生け捕り罠を持って歩くのは林業装備より重たくて大変です。

あと、よくヒグマがでるようなので、ようやく野生のヒグマに出会えると期待して行ってきます。写真に撮れたらいいなぁ。

宿泊はトマム荘!

トマム、シムカップの皆さま、明日からお世話になります。

名刺、アドレス・・・

里山部の名刺をつくった。

パンフも同時並行で進行中。

※電話番号は察して。

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個人で何かをやるって、、、大変なんだなと実感。

でも、できそうだなとも感じてる。

 

お酒もしばらく飲んでない。

帰ってきてからずっとパソコンの前。

自分じゃないみたいだ。

なんでこんなにやる気でてるんだろう。

また明日も頑張ります。