里山部-satoyama-活動(東鷹栖)

小さな森の山主が始めた個人事業ブログ

里山部にカシ!

しみずです。

 

番外編です。

 

その晩、お酒が飲みたくて、せいしゅう君(http://seisyu-labo.com/archives/531)、

リンさん、なこさんと僕で、コンビニを探しました。

 

二風谷には、コンビニはないんです。

平取温泉で、コンビニはどこにありますかと尋ねたら、「平取にあります」と言われました。二風谷は、平取町なのに(平取町二風谷)?

「平取ってここですよね」と問うと、「ここも平取なのですが・・・二風谷も平取ですが、二風谷は・・・ごにょごにょ」と。

 

地元では、二風谷平取町(たぶん役場近郊)は使い分けているのでしょうか。

面白い混乱でした(笑)

 

んで、コンビニまで8000m、北海道らしい(笑)

ローソンがありました(セコマじゃないのかよ!?)。

ローソンで会計を終えて「先にチセに戻ってるわ!!」って。

初めて言いましたわ、「チセに戻ってるわ」って言葉(笑)謎の特別感(笑)

 

 

まぁその温泉にて、誰から言い出したか忘れましたが、「これくらい(写真のテーブルくらい)のサイズなら、1日で作れるんじゃない?チセ」と(笑)

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全員アペフチに魅了されていたので、すぐさま「これならイケル!やろう、作ろう」と意気投合しました。シラフです(笑)

 

「じゃぁ俺ササ大量に刈っておくわ!」

「じゃぁ来週やろうか!?」

 

という感じで、あっという間に話が決まりました。せいしゅう君とリンさん十勝やで。気軽にこれる距離じゃない。なんだかんだで、この二人とは週1で会っている(笑)

後にこうした小さいサイズの家はチセではなく「カ」「カ(シ)」「カ(ス)」というと中川さんから教わりました。「シ」や「ス」はわずかにしか発音しないので、ほぼほぼ「カ」という言い方になるようです。

 

 

前日は自宅に泊まって作戦会議。設計図作り。誰もカシの作り方しらない。ササの束ね方しらない。誰も建築スキルもってない。好奇心だけで組み立てる設計図。

日本語と、英語と、台湾語と、アイヌ語と、様々な語源が飛び交う作戦会議。

僕のぞいた方たち、語学力半端ない方なんです。

 

大事なのは、アペフチに会いたい気持ち、あの感動を忘れたくない気持ちです。

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むかえた当日は朝だけ雪。

事前に刈ったササを集める所と、男性陣は支柱を埋める穴掘りから始まりました。

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ササをとってきたは束ねて、木をノコやチェンソーで加工して・・・

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ひとつひとつの過程で、未知の領域でした。

何が正解か、わかるはずないんです。

でもなんか、「自然と対峙して向き合い利用する」ということに関しては、これで正解だと思いました。自分たちの知恵で、自然に挑み、あるもの使ってなんとかしようという精神。

 

突哨山はアイヌの聖地です。

突哨山では、こうした感覚を意識した活動は、何十年?としていなかったと思います。

誰もやっていなかったでしょう。

アイヌがこの森にいたことを感じながら、想いを馳せる時間は。

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森から田んぼが見えて、夜には市街地の夜景が見えるこの森は、

もうすでに北海道の原点を、意識しないと見れなくなってしまったのです。

だから、意識せずとも、原点を感じられるように作りたいとも思ってました。

 

前にも書きましたが、身近な自然でありつつ、当たり前の自然を提供していきたいと。

里山部と繋がった人たちは「自分には、使える森がある」という自信をもっていいんです。地域資源は地域の人たちが、地域で活用するためにあるのですから。だから僕も自分の森をシェアしているんです。みんなで使いましょう、森を。

 

 

話がそれました。

9時から始まって16時くらいで、ようやく屋根があがりました。2m四方で一日でできるだろうと甘くみてました。

屋根につかうササの量だけでも半端じゃないです。ほぼほぼ刈ったササが全て使われてササ不足になり、時間もなくなり。結局は、「あずまや」状態のまま終わってしまいました。

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でも当初の目的だった。

里山部でアペフチに会うことができました。

「どこにいても火にはアペフチがいる」と教わりました。

同時に「アイヌがいるからカムイもいるんだ」ということも。

 

本当は、薪は使いません。割らない(割れなかった?)で、丸太のまま、枝のまま燃やすのが本当です。

今回はそういうのがなかったので、薪で代用してしまいましたが、ダメです。

出来上がってからは、独自のイナウも立てかけて、1時間くらいアペフチと向き合いました。

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また、来春以降、壁つくったり、足りない部分を作り上げていくイベントをやるかもしれません。是非みなさんも。

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里山部は、森を通して行動したい人を全力で応援しますし、協力します。

正直、森がバックにあるって、すごいことなんですよ。

僕や里山部の森を使ってください。遠慮せずに。

僕は、地域資源を見直す本質的な活動しかしていきません。

 

金は二の次、暮らしていける分があれば十分。

 

どうして旭川から旅立つ若者が多いか。

ここがまだ、現代人には魅力ない街だと思われているからじゃないか。

里山部に来てから、体験してから出ていくか決めていいと思う、若者たち(笑)

自分のやりたい事、ぶつけてやっていきまっしょ!!

 

 

森なんて関係ないと思っていると大間違い。全ては森から始まり、いずれも森でつながっている。

 

僕は戻ってくるのは来春だけど、まだまだ新しい出会い待ってますし、自分からも作っていきます。

 

ガンガン旭川を森から、面白くするぞ!

 

ローカル。

マニアック。

エッセンシャル。

フォレスト。

な人との繋がり。

 

二風谷にて ラスト

しみずです。

 

ちょっと間が空いちゃいました。スイマセン。

続きです。

 

絶好調だった昨日とはうってかわって、翌日の樹木は全部が全部、かなりの危険木でした。

 

何がっていうと、この場所は木が生えている真後ろは住宅地なんです。

そして森と住宅地を挟むフェンスをほぼすべての木の枝や幹が、フェンスを越えて住宅地に傾いているのです。 まぁ、径25cm以下の木なら、なんとでもなります。

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しかし、ここらから、伐根直径が40cmを超え、樹高も25mくらいになり、かつ枝葉がほぼ住宅側に突出している状況。

様々な樹木の幹が絡まり、伐る順番も、考える必要があり、途中でこのでかいサイズを伐らざるを得ない状況にでました。

作業スペースが狭い中での伐倒でした。

狭いために北欧式の伐倒ができずに、とりあえず日本式の追いづる切りで行ってみるかと思って、追いづるを伐った瞬間。。。

 

ギギッ・・・と木がまさかの住宅側に傾き、チェンソーが挟まれたのです。

 

たぶんヨーロッパアカマツ。初めて対峙した木です。

材質や、枝による重心のバランスを知るのも、初めての木でした。枝は多く住宅側に突き出ていましたが、そんなに重くないだろうと思っていたんです。

 

久しぶりに冷や汗がでました。このサイズのが住宅地に落ちたら家は倒壊します。

ただ、一応、こうなることを見越して、追いづるの角度を急角度にしたのと、ツルの厚みを通常の2倍以上にしていました(後ろに傾いた際にツルが切れないように)。

 

見越していたのですが、いざ、真後ろの住宅にこのサイズが傾くと非常に生きた心地がしませんでした(笑)ものすごい頭をフル回転させて、次と次と次の一手を考えて、慎重に作業しました。

 

しかし、この伐採作業自体、全てにおいてチルホールを活用していたため、クサビ打ち込み傾きを修正するとともに、チルホールを使って住宅地と反対側の広場に向かって無事に倒すことができました。

 この成功は、最近、休みに僕の仕事を手伝ってくれる素敵なバディが居たおかげです。焦った時ほど、冷静に状況判断してくれる役が必要です。

 最初は、もちろん全くの素人さんでしたが、林業の場に何度も付き合ってくれたおかげで、完全にプロレベルの思考で作業できるようになったバディです。

 

そうして、チルとクサビを叩きこみながら、無事にやりとげました。

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そのあとは、この木の材質を僕がインストールできたので、全部北欧式伐倒で倒せました。

日本式で覚えた伐倒って、ほぼほぼ役に立たないのはなんでか。

ハスクの伐倒本に書いてあるものをベースに、北海道の樹木の材質、形状に合わせたアレンジした伐倒の方が絶対的に安心できます。もう、北海道ならではの伐倒スタイルを定着させていった方がいいですわ。

 

こうして状況に応じては木に登ってチルホールのワイヤーをかけたりと、

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木の強度や重心感覚がわかれば、もう大丈夫です。

小屋横に倒すのも、安心してできました。

バディガールと一緒に、チョウセンゴヨウの木。これでも50年生。

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伐倒している間は、伐った木はガンガン皮むき部隊により皮をむかれていきました。

かなり大量に樹皮剥ぎできたようです。

 

そして、あっという間に日が暮れて チセに戻りました。

 

チセに戻ると、

 

今日のワークショップで事故無く、怪我なく終われたことを感謝するため、イナウをアペフチのもとへ送りました。

このイナウは、このワークショップ期間の無事を込められたものでした。

 

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こうして平取の非日常的でありつつ、実は当たり前だったこの自然との付き合い方にどっぷりとひたり。。。

 

心が迷いなく透き通った気持ちで旭川に帰ることできました。

でも、旭川についたとたんに、この感覚が一瞬で奪われたのです。森以外のモノが邪魔だったんです。

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だから平取でこの気持ち、感覚を共有した20,30代の人たちで、この気持ちを忘れないためにも、里山部にもアペフチを呼ぼう!!

 

というなんとも無謀な計画を、平取温泉でしたのです(笑)

それはどうなったかというと、、、、次回は特別篇、里山部の森にカシを作る!!

 

 

本編は終わります。

こちらの活動はNPO法人ハチドリさんが主催する、アイヌの家「チセ」を建てるワークショップ第一弾の内容です。この企画は連続的に開催され、随時参加者を募集しております。

二風谷にて②

しみずです。

昨日の続きです。

 

 

伐る前のカムイノミの言葉。イベント前日に行いました。

 

ニ コロ カムイ チセ アコロ カムイ
チセ コロペ キノクニサトシ、ユキコ アンルェネ
エアニ コロ シランバカムイウタリ エプンキネ アンルェネ
ピリカ ラマツ コロ エンコレヤン
エプンキネ オリパク オンカミ アンナ

木を持つ神よ チセを持つ神よ
チセを持つ者は キノクニサトシとユキコと申します
あなたの持つ森、木の神の仲間を
良い心で守りますので
どうぞ、わたしにお渡しください
どうぞ、お守りください
謹んで礼拝いたします
(レラさんに教わった木へのカムイノミのことば)

雪子さんのフェイスブックより引用。

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イベント当日は、二風谷アイヌ文化博物館での、チセ講習。

講師は、貝澤 太一さん(農家であり学芸員、マルチ百姓アイヌあとめっちゃ山もってました。自伐させて(笑)

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少し博物館から離れ、関係した場所にも連れて行ってもらいました。

 

板壁で、かやぶき屋根のハイブリット(和人とアイヌの技法)なチセもみせていただきました。流行りもあったようですね。

 

また、平取の森は遠くから見ると灰色に見えました。なんでしょうね。コナラが沢山あるので、そういう色になっているのでしょうか。旭川では見慣れない色合いの森でした。

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じっくり観察していると、こういう意外な所にガンビが使用されていました。

これは「プ」です。

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色々と学ばせていただいてから、チセに戻るとまた新鮮です。

チセも色々と時代によって間取りなどが、進化を遂げているようです。

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昼食後の伐採作業は皆さん手作業で行いました。伐る、皮剥ぐ、玉切る、運ぶ・・・

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とても気になったのは、中川さんの採材の仕方でした。

チセに使う長さの木材の取り方が、楽しみでした。

一般的な材の長さが関係ないのと、木の股から採材するという特殊な取り方。

3500mm、4000、6000、8000、10000(だっけな)とあと細い枝も長く残す。

最初は、枝を払っていいのかもわからず、伐った後、造材できずただ立ち尽くすキコリ(笑)。

ここの木は特に曲がりが強く、変な伐り方するとすぐに縦割れをおこして元玉が使えなくなって、もったいなくなります。

そうならないように伐りました。

f:id:shimizu-satoyama:20171107221010j:plain こんな採材初めてですわ!

 

中川さんに見られての伐倒、どう思われていたのだろう。何を思っていたのだろう。すごい気になる。

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作業が終わるとチセに戻りました。

これなんですよ、最高なのは!

森から帰っても森。ずっとこの森の感覚が続いてる感じ。

 

火だけがある空間。

みんなの目線が、アペフチに集中するこの瞬間。

アペフチ以外見えない。

今日の無事をアペフチに感謝しました。

 

今日伐られた木は、シランバカムイ(森の神)からチセコロカムイ(家の神)へ管轄が代わるとおそわりました。

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僕の伐倒は、初日は問題なかったんです。いつも以上に研ぎ澄まされどんぴしゃに倒せました。

 

しかし、翌日、久しぶりに冷や汗かきました 笑)

 

続く。次で最後です。

起源の「あたりまえ」に出会う。心が整った瞬間。

しみずです。

2ヶ月ぶりのブログです。

この間も里山部は愛されてまして、多くの方たちとの森との繋がりができました。

最高ですね。ありがとうございます。

 

 

昨日まで平取町二風谷、アシリ・レラさんのチセで2泊3日、寝泊りをして、「チセを作るための伐倒」をレラさんの森で行ってきました。

僕のキコリの心得とスタイルを買っていただいたんだと思います。とても光栄です。

数回に分けて、この内容で、更新していきます。

 

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僕は北海道でキコリをするということで、ずっと、森に入ることに、気持の点で、腑に落ちていない点があったんです。

それはアイヌに対して、どういう気持ちで森に入っていいのか。

 

僕の森がある突哨山はアイヌの聖地です。

里山部がある森は、彼らが生活の場としていた森だったんです。

その森に入って、こうして命を頂き、提供している側にいることの意味、森に対する敬意、向き合い方は、考えても答えが出ずにいました。

 

二風谷の2日間は、僕の求めていた答えに触れる機会でした。

 

レラさんの森の木を伐る。

その森の立木と向き合い、伐る者の役割でした。

この木を伐る。伐っていいのか。森に入った瞬間から、心がざわついていたんです。

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そして、この森の木と、どうやって向き合っていいのかわからくなり、どういった感謝をしていいかもわからなくなったんです。

いつもの感謝が、あの森に入った瞬間、僕の感謝は通用しないと思ったんです。感謝だけではないと思ったんです。

 

 

森に入る前に何しに入るのか、伐る木には、誰が何のためにあなたをいただくのか、そうしたことを、語りかけながら、伐る前にカムイノミを体験しました。

森にある木、1本、1本にです。

カムイノミを通じた感想は言葉がありませんでした。感想を言葉にできるほど簡単じゃなかったんです。

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でも、終わったあと、森がひらいたんです。すごい穏やかになったんです。

僕に向かって真っすぐに森が入ってきた感覚です。

心が一瞬で落ち着きました。

 

新しい第六感を感じることができたんです。

これから伐る木から、伐って良いタイミングを教えてくれました。木に命のタイミングを譲渡されたような感覚。許してもらえたような。

そこには、「ありがとう」とか「いただきます」とかそんな感謝の言葉じゃない。あの時、その言葉は思っても言えなかった。

感謝とは違う、新しい気持なんです。

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それがなんなのか、僕は、一つの答えにたどり着きました。

それは究極の森との付き合い方の「あたりまえ」に出会ったんです。

北海道のあたりまえの起源に出会ったんです。

 

これだったんです。

僕に足りない、北海道の森に入るという意味。感覚。

あの時、伐る前に思ったのは、木から感覚が伝わってきて、出てきた言葉が

 

「・・・うん」

 

だったんです。

この一言しかでてこなかった。自分が木に説得されて、自分が納得いった感覚。

 

 

この感覚は初日だけでした。

森の言葉が聞けたのは、あのカムイノミをした初日だけ。

 

チセでアペフチカムイを前に、アイヌのお話を聞かせていただいた中川さんからは、「森だっていつも語りかけてくるわけじゃない。用がないなら言わない。それと男はなかなか感じずらい、そういう時間は一人でいる時じゃないと難しい。」と。

 

それと、伐る木に斧を置いてお神酒代わりに備えておく気持ちの意を表していつもやっていましたが、「伐る木に刃物を置くなど、木にとってはただの脅しだ。カムイノミをする時は刃物は絶対もっていかない」と。

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北海道の森と向き合って生きていくための、

おそらくこれ以上ない、迷いのない心を会得した初日でした。

 

あたりまえのように森と向き合っていくそこには、感謝も、敬意も、畏怖も、命のやりとりもあってあたりまえ。

あたりまえの中に、全てがつまっていました。

 

 

 

身近な自然と、あたまりまえの自然は違う。

旭川は身近な自然が沢山。

でもあたりまえの自然はわずかだ。

 

里山部の森は、身近な自然でありつつ、あたりまえの自然でいくと、強く思った。

 

心が整った。

僕の提供する林産物、森の時間に様々なカムイを感じられるように、これから付き合っていく。

心技体。また一つ、本質に近づいたキコリになれたと思う。

 

・・・続く。

 

※この活動は、NPO法人ハチドリさんの、チセ作りのためのワークショップ第一弾として参加しました。実際にチセをたてるまで、連続開催しています。

起源の「あたりまえ」に出会う。心が整った瞬間。

しみずです。

2ヶ月ぶりのブログです。

この間も里山部は愛されてまして、多くの方たちとの森との繋がりができました。

最高ですね。ありがとうございます。

 

 

昨日まで平取町二風谷、アシリ・レラさんのチセで2泊3日、寝泊りをして、「チセを作るための伐倒」をレラさんの森で行ってきました。

僕のキコリの心得とスタイルを買っていただいたんだと思います。とても光栄です。

数回に分けて、この内容で、更新していきます。

 

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僕は北海道でキコリをするということで、ずっと、森に入ることに、気持の点で、腑に落ちていない点があったんです。

それはアイヌに対して、どういう気持ちで森に入っていいのか。

 

僕の森がある突哨山はアイヌの聖地です。

里山部がある森は、彼らが生活の場としていた森だったんです。

その森に入って、こうして命を頂き、提供している側にいることの意味、森に対する敬意、向き合い方は、考えても答えが出ずにいました。

 

二風谷の2日間は、僕の求めていた答えに触れる機会でした。

 

レラさんの森の木を伐る。

その森の立木と向き合い、伐る者の役割でした。

この木を伐る。伐っていいのか。森に入った瞬間から、心がざわついていたんです。

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そして、この森の木と、どうやって向き合っていいのかわからくなり、どういった感謝をしていいかもわからなくなったんです。

いつも、感謝しているつもりが、あの森に入った瞬間、僕の感謝は通用しないと思ったんです。感謝だけではないと思ったんです。

 

 

森に入る前に何しに入るのか、伐る木には、誰が何のためにあなたをいただくのか、そうしたことを、語りかけながら、伐る前にカムイノミを体験しました。

森にある木、1本、1本にです。

カムイノミを通じた感想は言葉がありませんでした。感想を言葉にできるほど簡単じゃなかったんです。

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でも、終わったあと、森がひらいたんです。すごい穏やかになったんです。

僕に向かって真っすぐに森が入ってきた感覚です。

心が一瞬で落ち着きました。

 

新しい第六感を感じることができたんです。

これから伐る木から、伐って良いタイミングを教えてくれました。木に命のタイミングを譲渡されたような感覚。許してもらえたような。

そこには、「ありがとう」とか「いただきます」とかそんな感謝の言葉じゃない。あの時、その言葉は思っても言えなかった。

感謝とは違う、新しい気持なんです。

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それがなんなのか、僕は、一つの答えにたどり着きました。

それは究極の森との付き合い方の「あたりまえ」に出会ったんです。

北海道のあたりまえの起源に出会ったんです。

 

これだったんです。

僕に足りない、北海道の森に入るという意味。感覚。

あの時、伐る前に思ったのは、木から感覚が伝わってきて、出てきた言葉が

 

「・・・うん」

 

だったんです。

この一言しかでてこなかった。自分が木に説得されて、自分が納得いった感覚。

 

 

この感覚は初日だけでした。

森の言葉が聞けたのは、あのカムイノミをした初日だけ。

 

チセでアペフチカムイを前に、アイヌのお話を聞かせていただいた中川さんからは、「森だっていつも語りかけてくるわけじゃない。用がないなら言わない。それと男はなかなか感じずらい、そういう時間は一人でいる時じゃないと難しい。」と。

 

それと、伐る木に斧を置いてお神酒代わりに備えておく気持ちの意を表していつもやっていましたが、「伐る木に刃物を置くなど、木にとってはただの脅しだ。カムイノミをする時は刃物は絶対もっていかない」と。

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北海道の森と向き合って生きていくための、

おそらくこれ以上ない、迷いのない心を会得した初日でした。

 

あたりまえのように森と向き合っていくそこには、感謝も、敬意も、畏怖も、命のやりとりもあってあたりまえ。

あたりまえの中に、全てがつまっていました。

 

 

 

身近な自然と、あたまりまえの自然は違う。

旭川は身近な自然が沢山。

でもあたりまえの自然はわずかだ。

 

里山部の森は、身近な自然でありつつ、あたりまえの自然でいくと、強く思った。

 

心が整った。

僕の提供する林産物、森の時間に様々なカムイを感じられるように、これから付き合っていく。

心技体。また一つ、本質に近づいたキコリになれたと思う。

 

・・・続く。

 

※この活動は、NPO法人ハチドリさんの、チセ作りのためのワークショップ第一弾として参加しました。実際にチセをたてるまで、連続開催しています。

里山部フリーパス作ります

しみずです。

 

今回は、言いにくいんですがちょっと、お願いがあります。

最近森に遊びに来てくださる方が増えてきました。ありがたいことです!ありがとうございます!

なんたって、森で自由に遊べるってないですからね。あるようでないですからね。しかも森にキコリがいて、ガイドがいて山主がいるっていうそんな森。

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ペロッとガンビ剥いて、枝集めて焚き火して、持ってきた食べ物を焼く。

この行為自体さらっとできちゃう森ですからね。こんな森増えれば楽しいのに。と思って森も買おうと探していますが、今難航中です。やっぱり金額的な部分で折り合いがつきませんね。

正直、一生赤字になる金額で森は買えません。だって趣味でやってるわけじゃないですもん。でもこの地域の森の本質的な利用と保全をしていくためには、山主の意識が変わってもらうか、僕が買い取っていくか他ないんじゃないかという超狭い考えで日々やってます(笑)

 

 

★本題です。

「森に遊びに行きたい」「森を見させてほしい」「話を聞きに行きたい」という連絡が増えてきました。

僕も大歓迎です。様々な人と繋がりたいですし、色々なことを話し合いたいです。

ただ、ちょっと最近困っていることは、お金を払ってくれない方が多いんです。こちらから「これくらいかかります」といっても「いやすぐ終わるから無料で」等で、、、

 

これが増えてくると僕も仕事が進められずに、時間がとられるだけで、気持ちよくありません。森で遊びたい、森を見させてほしいという部分は完全に里山部の商品です。

 

冒頭で紹介したように、僕の森自体は特別な森ではありません(普通の身近な森林です)が、「森をシェアし、自由に行動できる」ということを商品価値として皆さまに、森を開放しているのです。

これは、例えるなら、レストランに入って、「腹減った。少しだけしか食べないから無料でいいよね」みたいなノリなんです。

 

で、もう一つ。

話していると、やはり1時間くらい時間がすぐ経っちゃいます。森の気持ちよさが時間をあっという間に経過させるんですね。

僕は、人との出会いは次につながる一歩だと思ってますので、これくらい全然いいんですよ!

ただ、ちょっと仕事も増えてき始めてきて、更に人が来はじめてくると、そろそろ、この無料の1時間がつらくなってきました。

話すのが辛いわけじゃないんですよ。

むしろ出会いまくりたいし、話しまくりたいです(笑)

言いたいのは、ちゃんとお互い気持ちよく時間を過ごしたいと思っているだけです。

ゲートに「ここから有料になります」というのをあえて掲示しているのもその意味もあります。

 

 

個人事業やってみて、「毎日が日曜日にもできるし、毎日が月曜日にもなる」ということを実感してます。どちらかというと、今は毎日が月曜日です(笑)

すごい時間が大切なんです。

 

でも皆さんの意見もわかります。森に入るのになぜ有料なんだ!という意見や、高すぎるという意見。

この突哨山自体は無料で歩けるので、そちらをご利用することは自由です。

何度も言いますが、里山部の森は、本質的な体験ができるのを売りにしているので、有料なんです。

確かに一回3名なら2000円。一人あたま650円程度です。

でも毎回は確かに財布を圧迫しますよね。

僕も森の楽しさを知ってほしいのでガンガン来て森の魅力を体験していってほしいのです。

 

 

☆☆☆そこで☆☆☆

年間フリーパスを作ります。3タイプあります。

いずれも、「ぶらり里山体験」のみに適応されるものです。

これがあれば、いつきても何度来ても購入から1年間はフリーに入山できます。

 ※〇名まで適用というのは、一人がそのフリーパスを買っていれば、同伴者含め〇名までフリーパスの効果を適用できるという意味です。

例えば、3000円は、1人がフリーパスもっていると同伴してきた残り4名までが無料で入れます。

 

①3000円

(5名まで適用。自分の森同様に、自由に入山し行動できます。但し、30分のガイドメニューはつきません。)

②5000円

(5名まで適用。自由に入山し行動できます。毎回30分のガイドメニューが希望できます)

③10000円(20名まで適用。団体専用。自由に入山し行動できます。毎回30分のガイドメニューが希望できます。)

 

この3タイプでやっていきます。

 

というわけで、ご理解いただければ幸いです。

なにとぞ、宜しくお願い致します。

 

★でも、絶対お金を払いたくないという人もいるはずです。

そういう方は、1日中僕の仕事のお手伝いをしてくれるなら、それでいいです(笑)

8時間くらい森で作業します。

 

倒木ダイジョウブですか。

しみずです。

 

台風による強風、旭川でもなかなかでした。

里山部の森も、絶対何本か倒木してますね。木が倒れる風でしたもん。

 

みなさんの周りでも倒木による被害はありませんか。

ご自宅の庭などで、1人で処理するのは大変危険ですので、僕に任せてください。

倒木の片づけをお手伝いしますので。

 

僕にできる、災害復興のための貢献活動です。

お金はいりません。

お気持で結構です。・・・あ、欲を言えばビールください(笑)

 

9月25日~29日が仕事の予約が入っておりませんので、お伺いできます。それまで待てない方もいらっしゃるかと思います、それはそれで、お気軽に問い合わせください。空いている時間に行きます。

 

!!絶対に、1人で無理しないでくださいね!!

木は細くてもムチのようにしなり、強度もあるので、顔面に当たると歯などは容易に折れます。

また、根っこから倒れている場合は、根本がもとに戻ろうとする力も働き、より木に「見えない力」が働いております。

木にぶつかると簡単に人間はふっ飛びます。重大な事故にも繋がります。

こちらでも、そうした倒木を手ノコで処理するおじいちゃんとかいますが、それはもう、見ていられません。

 

というわけで、遠慮なくどうぞ!

旭川市外の方でもどうぞ。

遠かったらその分、すいませんが交通費だけはいただきたいです。

 

僕は突哨山で2015年10月の台風による倒木130本を処理して怪我0(当たり前)で帰ってきた男です。どっぷりとお任せください!!!

 

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