山主の怒りと、里山部のこれからのミッション。
しみずです。
色々と、クラウドファンディングを使おうと、数か月前からあれこれ、模索して『よし、これでいこう』と思っても、ページを開いて概要を書いている最中に、、、『これ書いてる時間あるなら、自分の足で稼いだ方が俺は早いわ』ということで、3回くらいやろうと思っていたことが、全部自力でできちゃいました。
『自分のことは自分でやれ!』と父から子どものころから言われていた言葉が今になって、非常に心に突き刺さり、動力になっています。
でかい目標だった、「山守として、100haの森に接するキコリ」も、つい先日に、素敵な山主と出会ったことがきっかけで、一緒に何かやれそうな流れになっています。
里山部が現在、少なからず関わっている山林の面積は、122haとなりました。
ほとんど別地域の山林ですので、全部一辺倒の自伐をしていたら、面白みがありません。これから、それぞれの性格をもつ山主と山林に、特化した自伐を展開していきます。
僕は究極のキコリを目指しています。技術もさることながら、山主の信頼と、地域に貢献でき、フォレストユーザー(無意識に木を使う消費者含め)たちにストーリーを紡ぐ、本質的なキコリです。
キコリは山主に信頼されなきゃいけない存在ですが、それが現行の林業では、なかなかできておりません。
地域の山主さんとお話をする時、ほとんどが愚痴から始まります。現行林業は、ほとんど、山主とヤマを見ていないからでしょう。昨日、最近関わりを持った山主さんと話しをした内容です。
※大体山主さんの言葉、そのままを書き込んでいます。乱暴な表現があるかもしれませんが、あえてそこも書いています。
いつの事かは、定かではありませんが、今ではなく、昔の話でしょう。
「俺の山に業者が入っていって行ったとき、組合の人は業者(下請け林業会社)にペコペコして頭を下げていった。そういう構図なんだろう。南部森林室の人は、『絶対にこの木は伐らないでという木には、印をつけるなり、きちんと説明したほうがいい』とアドバイスをくれたから、その通りにしたんだ。山主がえらいわけじゃないのは、わかっているが、えばりながら、俺の山にはいっていく様は気に入らなかった。挙句の果てに、守りたい木(抱えきれないくらい大きな木)すら気が付けば伐られて、無かったんだ。全部持って行かれて、ひどい目に合った。あいつらはう〇こだ。」
と。
さて、山主の怒りは、我々消費者には、ほとんど届きません。
届かなくしているシステムなんです。
皆さん、
これは「北海道材」なんですよ!
と言われた商品を見たら、なんとなく、「良いですねー!!」ってなりませんか。
道産材なんですよ!いいですよねー!って。
しかし!!!!!
もちろん全てとは言いませんが、以下にあるような流れで、我々の暮らしに来る木がほとんどでしょう。
・・・その材は、山主の怒りが含まれた材である可能性が高いです。
それに気づけません。気付くシステムなら消費者が購買意欲を無くすからです。気づけないようになっているんです。
だいたいの仕組みを紹介します。
①補助金をとってくる(主に組合等)
②業者が補助金に沿った作業をする(山を見ず、補助金をみた作業をやれれば飯が食えるので、あとの山は知らん。全部伐った方が儲かる。)
③でかい木は銘木市などに出品する。
④家具メーカーやクラフトメーカーがその木を買う。
⑤その商品を消費者が買う。「北海道の木を使ってます!!いいでしょー!」
僕は最近、こう思ってます。
道産材とみたとき、どこの誰の山から、誰がきって、山林がどうなったかその情報がない場合、「あーあ、どこぞの山主やられちゃったなぁ」とむなしく感じてます。
消費者が、上流(山サイド)の仕事を見て、知ってしまったら、購買意欲なんて湧かないと思います。だって、自然破壊にお金を払って、それを助長していることを知ってしまうのだから。
この表現、過激だと思いますか。
周りにはげ山が増えていますよね。
全部伐られた木はどこに行ってるかわかりますか。
普段の暮らし方からは、99%追跡不可能です。闇です。
僕も最近、行政の方と一緒に打ち合わせや仕事をするようになりました。人はいい人なんですよ。皆さん。
林業のシステムがなんだかおかしいですよね。
良い人だからこそ、このシステム変えていってほしいです。
赤字しか生み出さないシステムを昔からやり続け、現在もそれを支援しています。「俺かんけいねー!」と思っている皆さんの全員から税金取られるんですよ。1000円搾取されます。森林環境税です。どっぷりと全国の森に、今後使われていきます。
- 個人の市町村税に1000円を上乗せする(標準の住民税に上乗せするので超過課税と呼ばれる。約6200万人が対象で、620億円前後という相当大型の新税になる)。
- 税収は国が集めて特定財源にし、必要とされる市町村に配布される。
- 使途は間伐などの森林整備、人材の育成、道路の整備、機械の購入など。
もう、里山部が金さえ稼ぐための林業事業体なら、どっぷりと使いたいですね(笑)「いえーい、こんな機械買って、あなたの山林全部伐ってやったぜー!!めっちゃ儲かったぜー!!!全国の皆さん、税金払ってくれてありがとー!!」みたいな動画をYouTubeで流したら荒れそうですね(笑)
でもまぁ、きっとそういうことになるでしょう。
だから僕と関わる122haの山で、これからなすことは、オープンな林業。
そして、「木のモノは良い」と本質的な意味を知る、消費者を選んで提供していきます。
課題は多いです。
①消費者の意識改革:地域資源を消費しまくっていることに気づいていない。持続可能かどうか、木のモノを買うときに考えていますか。身近な例えで言えば、マングローブの炭ですよ。
②山主の意識改革:既存のシステム、現行林業の当たり前さに、諦めないで!何が出来るかはそこの地域、山主それぞれです。考えて行きましょう。木は伐ったら終わりなんですよ。
③上流側の意識改革:惰性で動く、伐っちゃいけないと思っている木でも、伐らなきゃいけない今の社会。キコリである以上、森の生命を奪っているのは自分。時には、強い意志も必要だと思う。地域資源を活かすも壊すも、最初で最後の砦がキコリ。チェンソーを持つ覚悟を甘く考えてはいけない。
④作り手の意識改革:ナラ材、20万、〇〇工房。だけの情報では少なすぎます。つくる側からしても、山林に敬意を払ったことを示す何かが必要でしょう。モノづくりが好きな人達は、木が好きなんです。でも、とめどなく流れてくる木材に遅れをとらぬよう、忙しい加工の毎日。森なんて知るヒマねーよ。という話もよく聞きます。これは、、、どうしたらいいんだろうね。
沢山あるんですよ。
今までのことが当たり前だったんですから。
でも今までのことは、少しでも知ってしまったら矛盾だらけです。
木育を進めていくと絶対、子どもたちも気づきますよ。
それを大人が「産業だから仕方ないんだよ」と封じ込めて、当たり前にしていくのが、なんと恐ろしいことか。
さぁ!!
どうしたらいんだ!!!!!おれは未だに、わからんぞ!!!
こんなことずっと考えて、1年、自分なりに実行してきた。
1人だから、とってもゆっくりな意識改革だけど、山から気にする人たちが増えてきたのも事実です。ありがたいことに。
ほんとは、この問題にNPOとかが立ち向かっていくべきだろう。
なんだか勝手に使命感にかられて1人で頑張って、正直疲れてきたよ(笑)
いや、でも、こうした出会いがきっかけで、山主さんからの怒りがパワーになって、動いているのも事実。
今日はそんなことを、山主の怒りを代行して書きたかった。
道産材の本質を目指そう。里山部。勝負だ!!現行社会!!!