里山部-satoyama-活動(東鷹栖)

小さな森の山主が始めた個人事業ブログ

SKYprojectミニワークショップ「山づくり・家具づくり・地域づくり:家具産地であるために」

しみずです。

 

本日2月13日、タイトルのWSが開催されました。

過去のブログに、「山主を置いていかない家具づくりもあって欲しい」と書き込んだのが2016年10月11日。里山部 裏の目的 旭川家具 - 里山部-satoyama-活動(東鷹栖)

他力本願ではできないので、自分がやってみるしかなかった。

そして、出会った人と、運が重なって、今日、僕が目指していたものができました。

 

f:id:shimizu-satoyama:20180213220401j:plain f:id:shimizu-satoyama:20180213220417j:plain 

f:id:shimizu-satoyama:20180213220442j:plain f:id:shimizu-satoyama:20180213224815j:plain

f:id:shimizu-satoyama:20180213224947j:plain f:id:shimizu-satoyama:20180213225002j:plain

 

 

木を使いたいから、森に来る。

そして、いただく。

地域の森、地域資源を使う。これは、明確に、木の恵みを欲している人がいるから伐れる。

森に対する要求は決して高度ではなかった。

 

これは遊びじゃない。間伐体験などは今の時代、ざらにある。

これは自伐林業の、旭川の可能性。森の出口。生きるに繋がる。山主のお金になる。

 

森と山主から始まり、職人の手で木が極り、消費者に満足してもらえる。

残された森と、山主にも幸せなことから始まるモノづくり。

 

そのためには、木の姿かたち、大きさに見合った価値を十分に引出して使うことが大切。

生木を見抜き、デザインする職人の目と技術も必要。

それは、キコリも職人も、消費者も、一緒に足並みそろえて学んでいくことが大切。

今の時代、「学ぶ」時間も限られていて、大変かもしれない。

でも、消費者の人たちは「どこ産?」「どうして伐られたの?」「その森はどうなったの?」など、気にかけてもらうところからでも、始めてもらえると嬉しい。

 

木のモノは良い。もちろん。

でも、森を見ないで木を伐っている所だってある。

本当に、「この木のモノは良い」と言い切るには、真実のストーリーをそこに込めていかなければならない。そういった点では、この旭川大学での家具づくりは、半分成功した。

天板になった木のストーリーはわからないから、半分。

f:id:shimizu-satoyama:20180213225732j:plain f:id:shimizu-satoyama:20180213225802j:plain

極端な話だが、今の旭川を取り囲む森林、広葉樹林で、これは選択肢として可能だと思う。

エネルギー需要としての木材利用も非常に高まっているのだが、小さな山林の山主にとっては、1本伐ったら終わりな世界ゆえに、伐った以上、その木材には、最大限の付加価値がついてほしいのが山主の理想だ。

その後の、加工は大変なのだが、本質的な家具づくりを山主と職人と一緒に森から始めることが可能だと思った。それが欲しかった!という消費者だって出てくるはず。

 

f:id:shimizu-satoyama:20180213230805j:plain f:id:shimizu-satoyama:20180213230826j:plain

そんなことをひしひしと感じて、木の可能性を更に強く思ったWSでした。

 

この一連の工程に全部参加し皆勤賞だった学生もいた。「やっぱり楽しかったから!」と言ってくれた。その後は「山が欲しいなぁ」と、山の魅力が伝わったようだ。僕もなんとかしてやる気のある人に、山を継いでほしいと思っている。

この脚になったミズナラは、学生さんたちに様々な想いを抱かせたみたいだ。

 

f:id:shimizu-satoyama:20180213232005j:plain f:id:shimizu-satoyama:20180213232135j:plain

 

木のものを毎日使って生きている人が、森に来ること、木を伐ることは非日常という矛盾しているような時代。

木を活かす役目は、キコリにあり、職人にあり、使ってこそ活かす消費者であり、やっぱり全員が森を気づかい、利用していくことが、大切なんだって。

f:id:shimizu-satoyama:20180213234333j:plain

f:id:shimizu-satoyama:20180213232257j:plain

コープ「未来の森づくり基金」~自伐に~

しみずです。

 

こんなに雪がない冬を過ごすのは、十年ちょっとぶりです。・・・快適。

この雪なし生活に慣れると、旭川に戻った時が辛そうです(笑)

 

今日、コープさっぽろさんより「未来の森づくり基金(活動助成金です)」が「北海道自伐型林業推進協議会」へ贈呈されました。

その贈呈式がありまして、苫小牧の支所のほうへ行ってました。

f:id:shimizu-satoyama:20180127150559j:plain

 

 この資金は、道内の自伐型林業を目指す、個人や団体に、環境共生林業の実現と、生業レベルでの自伐型林業者の創出と、ネットワーク化、就業拡大と持続可能な森林づくりを目指すことを目標に使って行きます。

 具体的には春から開催されます、自伐塾でしょう。

地域の森は、地域住民で良くして、儲けて行きましょうよ。

f:id:shimizu-satoyama:20180127135353j:plain f:id:shimizu-satoyama:20180127135409j:plain

 

 コープさんの助成金はよく「森づくり団体」へ贈呈しているイメージが強かったんですが、こうして、「林業サイド」に主を置く団体にいただけることは、何か時代の流れを感じます。

次のステップが必要なんですよ、特に林業は。

 

 そしてこの基金は、10年目を迎えるということで、特別講演がありました。

講師は草刈健(くさかりたけし)さん

※苫東環境コモンズを設立

http://hayashi-kokoro.com/commons00.html

 

その中で、林野庁の新たな森林管理システムを紹介していました。ここにそのファイルあります↓

https://l.facebook.com/l.php?u=http%3A%2F%2Fwww.rinya.maff.go.jp%2Fj%2Frinsei%2Fsingikai%2Fattach%2Fpdf%2F171016si-7.pdf%23search%3D%2527%25E6%2596%25B0%25E3%2581%259F%25E3%2581%25AA%25E6%25A3%25AE%25E6%259E%2597%25E7%25AE%25A1%25E7%2590%2586%25E3%2582%25B7%25E3%2582%25B9%25E3%2583%2586%25E3%2583%25A0%2527&h=ATOrsLuDYeooN_vJkyeoBQjdLnAVDumP2AtJyumLTXU5kRfP8IHKse4SatLvg-ZdMZawKXpAv8xsMxwRZTMRADqDAGPz7kcVyKKtK2tVtjYfFFLqeGKqSFJDfmqoka9rbxVJLAmzIQPeTqkN9yBBGeLm9Z47ggW6ONqrFQg966d-ieNv4G9pdKCI7gv6sSr3TDJROjse0MZMedB5eSva8K4rmgDnx_FAAPp8Jom0DqCMVncsp5ppmV-ffeXFst6M7tcgouvbszkBFMPaF6CRGeZH

これに関して、中嶋健造さん(自伐型林業推進協議会※こっちは本州、本家のです)が、このシステムについて論じています。オープン記事ですのでどなたでも拝見できるはずです。そちらも参考に。

 

 

これ見ると、課題の部分について、山主の意欲低下と、事業を拡大したい意欲があるものの事業地の確保が困難だ。ということが挙げられてます。旭川での課題と一致すると思います。現に僕はその課題解決に向けてやってきているので。

 f:id:shimizu-satoyama:20180127135447j:plain

んでどうなるのか。

個人的な解釈で紹介するので間違いがあるかもしれませんので、うのみにしないでね。間違いがあれば、つど直していきますので。

 

林業の成長産業化と森林資源の適切な管理の両立を図るため、
① 山主なんだから、自分の森ちゃんとして!責任もって!

② 自分で出来ないなら(していないなら?)、委託業者に託すわ。※これ強制的なのかなぁ?

③ お金にならなさそうな森は、市町村が管理するよ(実質その地域の森林組合?)。しかも、山主に対しては対価は0円ですよ。勝手に山いじられて見返り無し。まじかよ。
④ 意欲と能力のある林業経営者の森林管理のための条件整備として路網整備の一層の推進や集中的な高性能林業機械の導入、主伐・再造林の一貫作業システムの普及が必要。

おぃぃ。高性能林業機械いいって。お金にならさそうな森に入れても赤字、なりそうな森だとしてもこの機械入れた時点でプラスになりにくい現状を続け、そのフィールドは、もっと僕たちから見えるような、身近な森でもやりますよ~ってこと。

 

 どんな委託業者がその市町村で登録されるのか。

もし、選択肢が少なかったら(現行林業推進の業者しか登録できなかったら)、山主にとっても泣く泣く委託してしまう現状がくるのかな。

きっとこれ、現行林業やっている作業員で、今も悲しんでる人いると思うのに、ますます悲しいことになるかも。

 

☆今は更に、森林所有者が不明でも、都道府県知事の裁定手続き等を経て、伐採・造林ができるようにする仕組みを導入(H28森林法改正)されているので、山主がそれをされた後に、「あ、ここ俺の山だったわ、なんで勝手にやったんよ」と言われてもたぶん手遅れに。

 

もう、山主は、山を持っていることを無視できない現状になりそうです。

だから、これまでに自伐型林業環境保全型の持続的な林業スタイルができる人が増えていかないと、旭川、終わる。北海道の森として、どうなるんだろうね。

 

だから、北海道の自伐プレイヤーの増加は必須です。早急ですよ。全部自分が山の管理できなくても、得意分野で集まることもできるし、なんせその応援のためにも自伐協議会があります。

 

 この仕組み、どこまで強制力があるとか、北海道がどこまで力入れてくるとか全然今は、わからないけど、これが近く、適用されるという話も聞きました。

 

 

いつも僕はことある事に言ってますが、こうなる以上、山主と業者だけの問題ではありません。

その里山が地域にとって、どんな価値があって、今地域がどんな山の恵み(林産物だけではない、若者、仕事、地域コミュニティー等)が必要なのか、これは消費者も一緒に考えて、僕らみたいな山に関わる人たちに提案して言ってほしいのです。

地域資源を活かそうとするなら、消費者一体じゃないと無理です。こっちもオープンにしていかないと無理です。林業と暮らしがまだまだ、繋がってないもの。

 

僕が一番やりたくないのが、「誰に売るかもわからない。なんで伐るかもわからない。でも国が決めたから伐るしかない」ということ。

これは「恵みをいただく」ことにならない。ただぶっ壊してるだけですわ。

 

 

だから僕も必要なスキルをとるために急ぎます。

伐採や搬出、加工はできます。でもまだユンボを使っての道つけが出来ません。

ですので今年は道つけの修行にも行く予定です。

この道つけは、本州で自伐型林業に推進されている、小型ユンボでつけるモノです。

これが出来れば全部できるオールマイティな林業事業体になります、里山部は。

不適当な道つけならそりゃ誰でもできますが、その後の森に責任をとれません。

 

そして職人さん、消費者といった出口側の人たちとの繋がりを地域でもっと濃くしないといけません。

この一年で共感していただける市民や職人さんとも出会って、現に林産物を出してきました。もっと多様な、森の出口側の人間と繋がっていかなければなりません。

もっと必要、旭川人なら全員と繋がる勢いで。

 

 

最後に、難しい話をしていまったので、草刈さんのお話の中でユニークだった話題を一つ。

森林療法が進んでいる国で、薬を出す代わりに、「〇〇の森を、〇日間、〇km歩きなさい」という処方箋が出るところがあるとのこと(笑)

 

これ良いですね。間違いないですよ。絶対良い!

お医者さん、里山部の森も、登録しておいてください(笑)

 

 

※単身赴任、圧倒的に寂しいです(笑)あぁ、恋しいぜ(笑)

f:id:shimizu-satoyama:20180127145428j:plain f:id:shimizu-satoyama:20180127150044j:plain f:id:shimizu-satoyama:20180127150248j:plain

今年は4月からっ!

しみずです。

 

今年も宜しくお願い致します。

今年の里山部、旭川での活動開始は4月6日からの予定になります。

それまでは白老のほうに出張です。

4月からは、里山部のフィールドを一新していく予定です。

 

 

里山部のフィールドを、「森」と「山」サイドに分けます。

林相はそのままですが、意識の違いによる改良をしようかなと。

「森」と呼ぶと、今までの里山部のような活動で、誰でも気軽に、楽しく何でも活動できる。敷居が低く、柔らかいイメージ。

「山」は厳しく、自伐林業特化、生産を追求するハードなエリア(面積が小さいので、モデル区域程度になりそうです)。

それぞれ、そんな雰囲気を大事にして、いまある林道から東西に真っ二つにわけてみようかと。

相変わらず人力による作業なので、ゆっくりとですが。

f:id:shimizu-satoyama:20180107125635j:plain

 

②林産物の商品の改定

薪の長さは、38cmの他、30cmの短いタイプの薪も製造します。

また、樹冠にある枝や、シラカバの小割り材による焚きつけのセット。

どうやって掘り出すか未だ未定ですが、「伐根」も売ります。

とりあえず今のところ、林産物だけで12種類を想定しております。

伴い、林産物のWEBページも改装します。

f:id:shimizu-satoyama:20180107135333j:plain

 

③1Dayバディを募集します。

これも、固まってからWEBサイトに告知しますが、今のところの構成案です。

要は、空いている時間があって、その空いている時間は、森で僕の手伝いしたいという方を募集します。

カレンダーに「この日は〇〇します」バディ募集中。といった表記がある日に限り、森で楽しみましょう。バイト代出せるといいんですけどね、基本的にはぶらりときて、飽きたら帰るスタイルで構いませんのでボランティア感覚になりそうです。

ただ、ちゃんとした仕事がある時は、バイト代も出せるかもしれません。

 小屋づくり、薪づくり、道づくり、カシづくり?、子どもとの森遊び、ホダギづくり、各種イベント協力隊など、色々とありそうです。森で体を動かしたい方は是非。

f:id:shimizu-satoyama:20180107135802j:plain

 

④看板を設置する。

入山口に里山部の看板を設置するのと、既存の看板を作り変えます。

「とりあえずこれでいいや」と、簡素なやつを設置して、なんだか1年くらいそのままだったので、ちゃんとしたのを作ります。

里山部がどこにあるか、少しわかりやすくなりますね。

 

里山部のご神木を祀る。

フィールドの最奥にそびえる歪なミズナラの大木。宿木(ヤドリギ)も生えてなんかいいオーラを出してます。この木の前に、とりあえず・・・お賽銭箱おこう(笑)

 

☆四月はあれやるよ!!

樹液飲みまくり会!!まだ日程等は未定ですが4月中頃にやりましょう!

一緒にホダギにキノコの菌を植えましょう。ホダギもめっちゃ作っておこう。

里山キノコ!そんで5月は拡張した森の畑仕事。今年何植えようかなぁ。

f:id:shimizu-satoyama:20180107134833j:plain樹液大量にでます。三歳の飲みっぷり(笑)

 

まぁ、まだ色々と変えていくところはありますが、この辺で!

森の力が必要な時は、里山部へv

f:id:shimizu-satoyama:20180107141344j:plain

里山部にカシ!

しみずです。

 

番外編です。

 

その晩、お酒が飲みたくて、せいしゅう君(http://seisyu-labo.com/archives/531)、

リンさん、なこさんと僕で、コンビニを探しました。

 

二風谷には、コンビニはないんです。

平取温泉で、コンビニはどこにありますかと尋ねたら、「平取にあります」と言われました。二風谷は、平取町なのに(平取町二風谷)?

「平取ってここですよね」と問うと、「ここも平取なのですが・・・二風谷も平取ですが、二風谷は・・・ごにょごにょ」と。

 

地元では、二風谷平取町(たぶん役場近郊)は使い分けているのでしょうか。

面白い混乱でした(笑)

 

んで、コンビニまで8000m、北海道らしい(笑)

ローソンがありました(セコマじゃないのかよ!?)。

ローソンで会計を終えて「先にチセに戻ってるわ!!」って。

初めて言いましたわ、「チセに戻ってるわ」って言葉(笑)謎の特別感(笑)

 

 

まぁその温泉にて、誰から言い出したか忘れましたが、「これくらい(写真のテーブルくらい)のサイズなら、1日で作れるんじゃない?チセ」と(笑)

f:id:shimizu-satoyama:20171117201148j:plain

全員アペフチに魅了されていたので、すぐさま「これならイケル!やろう、作ろう」と意気投合しました。シラフです(笑)

 

「じゃぁ俺ササ大量に刈っておくわ!」

「じゃぁ来週やろうか!?」

 

という感じで、あっという間に話が決まりました。せいしゅう君とリンさん十勝やで。気軽にこれる距離じゃない。なんだかんだで、この二人とは週1で会っている(笑)

後にこうした小さいサイズの家はチセではなく「カ」「カ(シ)」「カ(ス)」というと中川さんから教わりました。「シ」や「ス」はわずかにしか発音しないので、ほぼほぼ「カ」という言い方になるようです。

 

 

前日は自宅に泊まって作戦会議。設計図作り。誰もカシの作り方しらない。ササの束ね方しらない。誰も建築スキルもってない。好奇心だけで組み立てる設計図。

日本語と、英語と、台湾語と、アイヌ語と、様々な語源が飛び交う作戦会議。

僕のぞいた方たち、語学力半端ない方なんです。

 

大事なのは、アペフチに会いたい気持ち、あの感動を忘れたくない気持ちです。

f:id:shimizu-satoyama:20171117203009j:plain

 

 

むかえた当日は朝だけ雪。

事前に刈ったササを集める所と、男性陣は支柱を埋める穴掘りから始まりました。

f:id:shimizu-satoyama:20171117203111j:plain f:id:shimizu-satoyama:20171117203640j:plain

 

ササをとってきたは束ねて、木をノコやチェンソーで加工して・・・

f:id:shimizu-satoyama:20171117203837j:plainf:id:shimizu-satoyama:20171117203755j:plain

ひとつひとつの過程で、未知の領域でした。

何が正解か、わかるはずないんです。

でもなんか、「自然と対峙して向き合い利用する」ということに関しては、これで正解だと思いました。自分たちの知恵で、自然に挑み、あるもの使ってなんとかしようという精神。

 

突哨山はアイヌの聖地です。

突哨山では、こうした感覚を意識した活動は、何十年?としていなかったと思います。

誰もやっていなかったでしょう。

アイヌがこの森にいたことを感じながら、想いを馳せる時間は。

f:id:shimizu-satoyama:20171117204626j:plain

 

森から田んぼが見えて、夜には市街地の夜景が見えるこの森は、

もうすでに北海道の原点を、意識しないと見れなくなってしまったのです。

だから、意識せずとも、原点を感じられるように作りたいとも思ってました。

 

前にも書きましたが、身近な自然でありつつ、当たり前の自然を提供していきたいと。

里山部と繋がった人たちは「自分には、使える森がある」という自信をもっていいんです。地域資源は地域の人たちが、地域で活用するためにあるのですから。だから僕も自分の森をシェアしているんです。みんなで使いましょう、森を。

 

 

話がそれました。

9時から始まって16時くらいで、ようやく屋根があがりました。2m四方で一日でできるだろうと甘くみてました。

屋根につかうササの量だけでも半端じゃないです。ほぼほぼ刈ったササが全て使われてササ不足になり、時間もなくなり。結局は、「あずまや」状態のまま終わってしまいました。

f:id:shimizu-satoyama:20171117205123j:plain

 

でも当初の目的だった。

里山部でアペフチに会うことができました。

「どこにいても火にはアペフチがいる」と教わりました。

同時に「アイヌがいるからカムイもいるんだ」ということも。

 

本当は、薪は使いません。割らない(割れなかった?)で、丸太のまま、枝のまま燃やすのが本当です。

今回はそういうのがなかったので、薪で代用してしまいましたが、ダメです。

出来上がってからは、独自のイナウも立てかけて、1時間くらいアペフチと向き合いました。

f:id:shimizu-satoyama:20171117205532j:plain

 

また、来春以降、壁つくったり、足りない部分を作り上げていくイベントをやるかもしれません。是非みなさんも。

f:id:shimizu-satoyama:20171117205834j:plain

 

里山部は、森を通して行動したい人を全力で応援しますし、協力します。

正直、森がバックにあるって、すごいことなんですよ。

僕や里山部の森を使ってください。遠慮せずに。

僕は、地域資源を見直す本質的な活動しかしていきません。

 

金は二の次、暮らしていける分があれば十分。

 

どうして旭川から旅立つ若者が多いか。

ここがまだ、現代人には魅力ない街だと思われているからじゃないか。

里山部に来てから、体験してから出ていくか決めていいと思う、若者たち(笑)

自分のやりたい事、ぶつけてやっていきまっしょ!!

 

 

森なんて関係ないと思っていると大間違い。全ては森から始まり、いずれも森でつながっている。

 

僕は戻ってくるのは来春だけど、まだまだ新しい出会い待ってますし、自分からも作っていきます。

 

ガンガン旭川を森から、面白くするぞ!

 

ローカル。

マニアック。

エッセンシャル。

フォレスト。

な人との繋がり。

 

二風谷にて ラスト

しみずです。

 

ちょっと間が空いちゃいました。スイマセン。

続きです。

 

絶好調だった昨日とはうってかわって、翌日の樹木は全部が全部、かなりの危険木でした。

 

何がっていうと、この場所は木が生えている真後ろは住宅地なんです。

そして森と住宅地を挟むフェンスをほぼすべての木の枝や幹が、フェンスを越えて住宅地に傾いているのです。 まぁ、径25cm以下の木なら、なんとでもなります。

f:id:shimizu-satoyama:20171116172855j:plain f:id:shimizu-satoyama:20171116173136j:plain

 

しかし、ここらから、伐根直径が40cmを超え、樹高も25mくらいになり、かつ枝葉がほぼ住宅側に突出している状況。

様々な樹木の幹が絡まり、伐る順番も、考える必要があり、途中でこのでかいサイズを伐らざるを得ない状況にでました。

作業スペースが狭い中での伐倒でした。

狭いために北欧式の伐倒ができずに、とりあえず日本式の追いづる切りで行ってみるかと思って、追いづるを伐った瞬間。。。

 

ギギッ・・・と木がまさかの住宅側に傾き、チェンソーが挟まれたのです。

 

たぶんヨーロッパアカマツ。初めて対峙した木です。

材質や、枝による重心のバランスを知るのも、初めての木でした。枝は多く住宅側に突き出ていましたが、そんなに重くないだろうと思っていたんです。

 

久しぶりに冷や汗がでました。このサイズのが住宅地に落ちたら家は倒壊します。

ただ、一応、こうなることを見越して、追いづるの角度を急角度にしたのと、ツルの厚みを通常の2倍以上にしていました(後ろに傾いた際にツルが切れないように)。

 

見越していたのですが、いざ、真後ろの住宅にこのサイズが傾くと非常に生きた心地がしませんでした(笑)ものすごい頭をフル回転させて、次と次と次の一手を考えて、慎重に作業しました。

 

しかし、この伐採作業自体、全てにおいてチルホールを活用していたため、クサビ打ち込み傾きを修正するとともに、チルホールを使って住宅地と反対側の広場に向かって無事に倒すことができました。

 この成功は、最近、休みに僕の仕事を手伝ってくれる素敵なバディが居たおかげです。焦った時ほど、冷静に状況判断してくれる役が必要です。

 最初は、もちろん全くの素人さんでしたが、林業の場に何度も付き合ってくれたおかげで、完全にプロレベルの思考で作業できるようになったバディです。

 

そうして、チルとクサビを叩きこみながら、無事にやりとげました。

f:id:shimizu-satoyama:20171116174353j:plain

そのあとは、この木の材質を僕がインストールできたので、全部北欧式伐倒で倒せました。

日本式で覚えた伐倒って、ほぼほぼ役に立たないのはなんでか。

ハスクの伐倒本に書いてあるものをベースに、北海道の樹木の材質、形状に合わせたアレンジした伐倒の方が絶対的に安心できます。もう、北海道ならではの伐倒スタイルを定着させていった方がいいですわ。

 

こうして状況に応じては木に登ってチルホールのワイヤーをかけたりと、

f:id:shimizu-satoyama:20171116174421j:plain

 

木の強度や重心感覚がわかれば、もう大丈夫です。

小屋横に倒すのも、安心してできました。

バディガールと一緒に、チョウセンゴヨウの木。これでも50年生。

f:id:shimizu-satoyama:20171116174427j:plain f:id:shimizu-satoyama:20171116174433j:plain

 

f:id:shimizu-satoyama:20171116180056j:plain f:id:shimizu-satoyama:20171116180048j:plain

伐倒している間は、伐った木はガンガン皮むき部隊により皮をむかれていきました。

かなり大量に樹皮剥ぎできたようです。

 

そして、あっという間に日が暮れて チセに戻りました。

 

チセに戻ると、

 

今日のワークショップで事故無く、怪我なく終われたことを感謝するため、イナウをアペフチのもとへ送りました。

このイナウは、このワークショップ期間の無事を込められたものでした。

 

f:id:shimizu-satoyama:20171116180728j:plain

 

こうして平取の非日常的でありつつ、実は当たり前だったこの自然との付き合い方にどっぷりとひたり。。。

 

心が迷いなく透き通った気持ちで旭川に帰ることできました。

でも、旭川についたとたんに、この感覚が一瞬で奪われたのです。森以外のモノが邪魔だったんです。

f:id:shimizu-satoyama:20171116180734j:plain

 

だから平取でこの気持ち、感覚を共有した20,30代の人たちで、この気持ちを忘れないためにも、里山部にもアペフチを呼ぼう!!

 

というなんとも無謀な計画を、平取温泉でしたのです(笑)

それはどうなったかというと、、、、次回は特別篇、里山部の森にカシを作る!!

 

 

本編は終わります。

こちらの活動はNPO法人ハチドリさんが主催する、アイヌの家「チセ」を建てるワークショップ第一弾の内容です。この企画は連続的に開催され、随時参加者を募集しております。

二風谷にて②

しみずです。

昨日の続きです。

 

 

伐る前のカムイノミの言葉。イベント前日に行いました。

 

ニ コロ カムイ チセ アコロ カムイ
チセ コロペ キノクニサトシ、ユキコ アンルェネ
エアニ コロ シランバカムイウタリ エプンキネ アンルェネ
ピリカ ラマツ コロ エンコレヤン
エプンキネ オリパク オンカミ アンナ

木を持つ神よ チセを持つ神よ
チセを持つ者は キノクニサトシとユキコと申します
あなたの持つ森、木の神の仲間を
良い心で守りますので
どうぞ、わたしにお渡しください
どうぞ、お守りください
謹んで礼拝いたします
(レラさんに教わった木へのカムイノミのことば)

雪子さんのフェイスブックより引用。

f:id:shimizu-satoyama:20171107212756j:plain

 

 

イベント当日は、二風谷アイヌ文化博物館での、チセ講習。

講師は、貝澤 太一さん(農家であり学芸員、マルチ百姓アイヌあとめっちゃ山もってました。自伐させて(笑)

f:id:shimizu-satoyama:20171107213137j:plain f:id:shimizu-satoyama:20171107213338j:plain

 

少し博物館から離れ、関係した場所にも連れて行ってもらいました。

 

板壁で、かやぶき屋根のハイブリット(和人とアイヌの技法)なチセもみせていただきました。流行りもあったようですね。

 

また、平取の森は遠くから見ると灰色に見えました。なんでしょうね。コナラが沢山あるので、そういう色になっているのでしょうか。旭川では見慣れない色合いの森でした。

f:id:shimizu-satoyama:20171107214246j:plain f:id:shimizu-satoyama:20171107214250j:plain

じっくり観察していると、こういう意外な所にガンビが使用されていました。

これは「プ」です。

f:id:shimizu-satoyama:20171107214252j:plain

 

色々と学ばせていただいてから、チセに戻るとまた新鮮です。

チセも色々と時代によって間取りなどが、進化を遂げているようです。

f:id:shimizu-satoyama:20171107215029j:plain f:id:shimizu-satoyama:20171107215430j:plain

 

昼食後の伐採作業は皆さん手作業で行いました。伐る、皮剥ぐ、玉切る、運ぶ・・・

f:id:shimizu-satoyama:20171107220515j:plain f:id:shimizu-satoyama:20171107220537j:plain

 

とても気になったのは、中川さんの採材の仕方でした。

チセに使う長さの木材の取り方が、楽しみでした。

一般的な材の長さが関係ないのと、木の股から採材するという特殊な取り方。

3500mm、4000、6000、8000、10000(だっけな)とあと細い枝も長く残す。

最初は、枝を払っていいのかもわからず、伐った後、造材できずただ立ち尽くすキコリ(笑)。

ここの木は特に曲がりが強く、変な伐り方するとすぐに縦割れをおこして元玉が使えなくなって、もったいなくなります。

そうならないように伐りました。

f:id:shimizu-satoyama:20171107221010j:plain こんな採材初めてですわ!

 

中川さんに見られての伐倒、どう思われていたのだろう。何を思っていたのだろう。すごい気になる。

f:id:shimizu-satoyama:20171107221419j:plain

 

作業が終わるとチセに戻りました。

これなんですよ、最高なのは!

森から帰っても森。ずっとこの森の感覚が続いてる感じ。

 

火だけがある空間。

みんなの目線が、アペフチに集中するこの瞬間。

アペフチ以外見えない。

今日の無事をアペフチに感謝しました。

 

今日伐られた木は、シランバカムイ(森の神)からチセコロカムイ(家の神)へ管轄が代わるとおそわりました。

f:id:shimizu-satoyama:20171107221654j:plain

 

 

僕の伐倒は、初日は問題なかったんです。いつも以上に研ぎ澄まされどんぴしゃに倒せました。

 

しかし、翌日、久しぶりに冷や汗かきました 笑)

 

続く。次で最後です。

起源の「あたりまえ」に出会う。心が整った瞬間。

しみずです。

2ヶ月ぶりのブログです。

この間も里山部は愛されてまして、多くの方たちとの森との繋がりができました。

最高ですね。ありがとうございます。

 

 

昨日まで平取町二風谷、アシリ・レラさんのチセで2泊3日、寝泊りをして、「チセを作るための伐倒」をレラさんの森で行ってきました。

僕のキコリの心得とスタイルを買っていただいたんだと思います。とても光栄です。

数回に分けて、この内容で、更新していきます。

 

f:id:shimizu-satoyama:20171106181159j:plain f:id:shimizu-satoyama:20171106181207j:plain

 

僕は北海道でキコリをするということで、ずっと、森に入ることに、気持の点で、腑に落ちていない点があったんです。

それはアイヌに対して、どういう気持ちで森に入っていいのか。

 

僕の森がある突哨山はアイヌの聖地です。

里山部がある森は、彼らが生活の場としていた森だったんです。

その森に入って、こうして命を頂き、提供している側にいることの意味、森に対する敬意、向き合い方は、考えても答えが出ずにいました。

 

二風谷の2日間は、僕の求めていた答えに触れる機会でした。

 

レラさんの森の木を伐る。

その森の立木と向き合い、伐る者の役割でした。

この木を伐る。伐っていいのか。森に入った瞬間から、心がざわついていたんです。

f:id:shimizu-satoyama:20171106181835j:plain f:id:shimizu-satoyama:20171106181851j:plain

 

f:id:shimizu-satoyama:20171106181909j:plain f:id:shimizu-satoyama:20171106181938j:plain

 

f:id:shimizu-satoyama:20171106181346j:plain  f:id:shimizu-satoyama:20171106181405j:plain

 

そして、この森の木と、どうやって向き合っていいのかわからくなり、どういった感謝をしていいかもわからなくなったんです。

いつもの感謝が、あの森に入った瞬間、僕の感謝は通用しないと思ったんです。感謝だけではないと思ったんです。

 

 

森に入る前に何しに入るのか、伐る木には、誰が何のためにあなたをいただくのか、そうしたことを、語りかけながら、伐る前にカムイノミを体験しました。

森にある木、1本、1本にです。

カムイノミを通じた感想は言葉がありませんでした。感想を言葉にできるほど簡単じゃなかったんです。

f:id:shimizu-satoyama:20171106182146j:plain f:id:shimizu-satoyama:20171106182201j:plain

f:id:shimizu-satoyama:20171106182218j:plain

 

でも、終わったあと、森がひらいたんです。すごい穏やかになったんです。

僕に向かって真っすぐに森が入ってきた感覚です。

心が一瞬で落ち着きました。

 

新しい第六感を感じることができたんです。

これから伐る木から、伐って良いタイミングを教えてくれました。木に命のタイミングを譲渡されたような感覚。許してもらえたような。

そこには、「ありがとう」とか「いただきます」とかそんな感謝の言葉じゃない。あの時、その言葉は思っても言えなかった。

感謝とは違う、新しい気持なんです。

f:id:shimizu-satoyama:20171106182357j:plain 

 

 

それがなんなのか、僕は、一つの答えにたどり着きました。

それは究極の森との付き合い方の「あたりまえ」に出会ったんです。

北海道のあたりまえの起源に出会ったんです。

 

これだったんです。

僕に足りない、北海道の森に入るという意味。感覚。

あの時、伐る前に思ったのは、木から感覚が伝わってきて、出てきた言葉が

 

「・・・うん」

 

だったんです。

この一言しかでてこなかった。自分が木に説得されて、自分が納得いった感覚。

 

 

この感覚は初日だけでした。

森の言葉が聞けたのは、あのカムイノミをした初日だけ。

 

チセでアペフチカムイを前に、アイヌのお話を聞かせていただいた中川さんからは、「森だっていつも語りかけてくるわけじゃない。用がないなら言わない。それと男はなかなか感じずらい、そういう時間は一人でいる時じゃないと難しい。」と。

 

それと、伐る木に斧を置いてお神酒代わりに備えておく気持ちの意を表していつもやっていましたが、「伐る木に刃物を置くなど、木にとってはただの脅しだ。カムイノミをする時は刃物は絶対もっていかない」と。

f:id:shimizu-satoyama:20171106182433j:plain 

 

北海道の森と向き合って生きていくための、

おそらくこれ以上ない、迷いのない心を会得した初日でした。

 

あたりまえのように森と向き合っていくそこには、感謝も、敬意も、畏怖も、命のやりとりもあってあたりまえ。

あたりまえの中に、全てがつまっていました。

 

 

 

身近な自然と、あたまりまえの自然は違う。

旭川は身近な自然が沢山。

でもあたりまえの自然はわずかだ。

 

里山部の森は、身近な自然でありつつ、あたりまえの自然でいくと、強く思った。

 

心が整った。

僕の提供する林産物、森の時間に様々なカムイを感じられるように、これから付き合っていく。

心技体。また一つ、本質に近づいたキコリになれたと思う。

 

・・・続く。

 

※この活動は、NPO法人ハチドリさんの、チセ作りのためのワークショップ第一弾として参加しました。実際にチセをたてるまで、連続開催しています。