庭木の作業を通して思ったこと。
しみずです。
高所恐怖症のキコリです。
色々と、皆様から素敵な体験を提供していただき、日々感謝しております。
僕は木(生物)が好きなので「こだわりの強すぎる、熱いハートでやっているので、「こいつ何言ってんだ」と思われがちです。いや、思われています。
僕の中でブレちゃいけないのが、コウモリのため、森のため、木のため、次世代に価値のある山づくりのため仕事をするということ。
そのためには、優しく、時には熱く、皆さんに発信していかなくてはなりません。
なぜか。
僕は人より多くの生物の命をいただいているから、手にかけているからです。樹木、植物、コウモリなどの小動物、アライグマ駆除や、鹿・・・サバイバル好きで、コウモリ研究者が林業をやるわけですから、人より命をいただく機会が多くあり、その責任を(勝手に)負っているわけです。負えるキコリでありたいと思っているから。
だから、僕が命をいただく機会がある度に、そこから感じた自然の付き合い方、使い方を発信していくことも僕の使命だと思っております。
と、前置きをしたうえで、、、、
★庭木の伐採や剪定などについて、日ごろ感じるギャップを紹介します。
シンプルな問題です。
お客様「たくさん枝葉を伐って」
僕ら「こんなに伐ると、木が弱ります。死んじゃうかもしれません」
です。
やはり意識の差です。
「庭にある木の枝葉をスッキリさせたい」お客さまと、
「生命を維持して、もっと大切に育てたい」僕らと。
作業前に、僕らは「ここまでやると、木がきついです。」とか、作業中も「これ以上伐るとまずいですね」とかその都度、しつこく言ってます(笑)
お客さまからしたら「いや、ここまで伐る約束だったでしょ?」と思われているはずです。
わかります。お客様の気持ちも十分理解した上で・・・
これは、やっぱり様々な木を見てきた僕らだから言えることで、「伐ったら最後、二度と同じ樹形には、同じ命の輝きをしなくなる」わけで、それをやっぱり僕が木の代弁者とまではいかないのですが、木とともに暮らしてきた人に、伝えたいことなんですね。庭木というのは、その人の暮らしの一部で、風景で、一緒に育ってきた木です。
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〇実際伐りすぎると・・・木にとっては、
①切り口が多くなると、それだけ病原菌の入り口が多くなる。
②葉がないと、光合成の量が減少する。
という部分。
人間でいうと、『ケガして病気しているけど、飯が食えなくて栄養補給できねぇ』状態でしょうか。
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それをぽっと出の木こりが、1日でちゃちゃっと伐っていくわけです。
もっと、この木の生き方を知りたかった。この木が今後どうなるのか、そんなことを考える時間は、下見に来た時、作業中にしか考えられないんです。
だからこそ、実際に作業中に感じたことを、お客様に伝えたいんです。僕自身が後悔したくないから。ここまで言うのも、僕の仕事です。
・・・日ごろから、僕は、林業に関しても、「本質的な山の使い方を」、「木材の選択を」なんて言ってますが、庭木に関しても同じことで伝えたいことがあるわけです。
木(生物)が好きだから、木を伐りたくないのに、キコリをやっている今。
矛盾から生まれる、僕の気持ちをこれからも伝えていきたいと思います。
お客様も、普段から木について語る機会がないと思いますし、こんな機会だからこそ、僕は話をしてみたい。とも思うんですね。
・・・こんな感じで、僕(木こり)を自宅に呼ぶと、もれなくこんな時間も提供できます(笑)
「ちょっとこいつ(木こり)の意見でも聞いてやるかっ」っていう心の広いお客様、よかったら来年もまた呼んでやってください(笑)
なんかこう、山で一人でいると、寂しいんです(笑)もっと人とお話したいんですね(笑)
大丈夫ですよ。やる以上、仕事は完ぺきにやりますし、僕もどうあれ話がまとまれば、きちんと割り切って仕事してますから(笑)※どうあれ皆伐だけは絶対しません!!
なんといっても僕は木と、そのオーナー様とお話しながら、木の歴史を知ったり、これからを考えながらいじりたいんです。
そうすることで、僕も「この木に携われた誇り」を感じることができるからです。
★最後に紹介するのは、僕らが実際に手入れしやっぱこれが好きだなぁと感じた剪定事例1件と、こんなこともしましたという事例を紹介します。
まず最初に紹介するのは、このお客様は、木や花のことを知っていて、想っていた方でした。
僕らのこれ以上やるとやばいな・・・と思うアフター(右側の写真)をご覧ください。
気持ちは、『利便性のために木の管理をするのではない』です。※アーボリストとは、でググってみて。
次は、流石にこれは家が壊れると思って、全部枝葉を処理して、風の抵抗をほとんどなくした例です。庭木とは別次元です。これは、有無を言わさず、『あ、伐らねば!』と思いました。左側のビフォーも、ある程度伐った状態の写真で、正確な比較ができてませんが、右側がアフターです。
★動画で、上野ファームさんのウンリュウヤナギの選定(樹形のデザイン、枯死した枝の除去)もあります。