里山部-satoyama-活動(東鷹栖)

小さな森の山主が始めた個人事業ブログ

千葉シリーズ5 自伐の要 線形

しみずです。

 

 この1ヵ月、家庭の事情があり主夫兼保育士してます。かなり引きこもってます。

外に出られません。天候と雪的な意味も兼ねて。

 子どもたち(特にぁぅ様)と遊ぶ時間が長いと、「赤ちゃん言葉」が普通になり、大人と会話しているときに普通に出そうになり危ないですね(笑)

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ぁ~ぅ~ってよく言うから「ぁぅ様」。最近言わないから寂しい。

ぁぅ様ウィンクが僕のマイブーム。

 

★★★★★★

 さてさて、当麻町の国内初のサウナバス!まじ素敵ですね。

色々と、木材の多様な利用がされてきました。

 ますます、山の入り口側である、環境保全型の林業はこれからの時代には必須になってくると確信しております。

 

 続きまして、今回は、この自伐型林業の要でもある、「山のどこに道をつけるか」というお話。

 千葉の図面はほかの人の山なので、ここでは紹介しません。代わりの図面を用意しましたのでそちらで進行していきます。

 

 僕は山のどこに作業道を通すか、図面を見るのは苦手なところです。

現場で歩きたい派です。

結論から言うと、どちらもできた方がいいわけです。

 

★上達するポイント(詳しくは前回の記事から岡橋先生のYouTubeをご覧ください)

①等高線の図面に書き込むことと、

②実際にその山林を歩いてみて図面と現場で調整すること、

③作業に入ったら、若干の変更が出ることを覚えておくこと。

 ※ユンボに乗って作業が始まると、歩いた時の感覚とは違ったものになります。

 

 だから岡橋先生も「現場で踏査した通りでなくてもいい。違和感があれば修正する。」とお話してました。

 僕も初めてやる時は、「先生がこの木は伐らないで、ここを通す」と言われた以上、意地でも伐らないで進めていくこともありましたが、こうした現場での踏査はおおまかな目安として考えるということです。

 

 千葉県の山は、実は等高線があってないものでしたから(笑)平面に線を書き込んだ形になりました。

逆にそういう時は、「どこでも通せる」分、林内の木がどういう育成状況かをしっかりと考えて、人の入りやすさ、作業の効率、景観の美しさなどもふまえて選んでいくといいでしょう。

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見るからに、、、平です。。。

 僕はおまけ的な要素で、大木に会いにいける道が好きなのですが、最近はあまり近い場所を掘ると「根っこ」を傷つけることとなり、その樹木の育成を阻害する場合があることを実感しました。

 杉はそうでもないみたいですが、ミズナラとかニレとかは気を付けたほうがいいですね。それでも一概には言えないところが自然の複雑さです。

 ※根は通常、ドリップライン(樹冠端からの雨滴落下線)を越えて、幹から離れたところまで成長していると考えた方がいいでしょう。それを傷つけないようにしたいですね。

 

 

 ★苦手を克服しようと、この際せっかくだからと、僕のアシリコタンがある山、江丹別の冬路山の等高線図を持参していき、夜に飲みながら岡橋先生とあれこれ線形講習ができました。良い時間だった(笑)

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赤い枠がおよそのアシリコタン。ここから山頂を目指す線形を書くとなると・・・。

 

★手順としてはこう。

穏やかな尾根筋を狙い、ペアピンを駆使して山の山頂を目指す線が、「幹線」。

  この幹線がつけられそうな等高線が緩やかな尾根の部分に〇をつけていく

  ここがセーフティーゾーン(作業しやすいし、道も崩れにくい、固い地盤がある可能性が高い)となり、〇と〇を結びながら上に登っていくという考え方。

  とにかく山頂に到達することで、その後の作業が楽になります。肝となる道。

  

  難しいポイントは、幹線の手間はヘアピンの連続作業になるので土の移動がたくさんあり時間がかかること、場合によっては固い地盤、岩などに当たり、掘削ができない(その場合はブレイカーを用いて岩を砕いていく作業)など。この道を維持していくことが必要。

  良いポイントは、礫がでやすい(その後の支線やぬかるみなどにこの礫を撒ける)、高度を取りやすく、その後の支線を伸ばすことにより、広範囲に手入れが行き届くこと。

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ユンボがあるところの土を、軽トラがあるところまで持っていく。何十往復もするしんどい。

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ユンボがあった場所の土をもってきて、高く上げた時の様子。

、幹線のカーブの真ん中から、等高線上に緩やかに伸ばしていくのが「支線」

 支線はいわゆる、間伐や搬出作業をもっぱら行う作業道です。このことで、広範囲に手入れが行き届きます。

 難しいポイントは、等高線にそって勾配もそこまで気にせず、かつ土の移動も少ないので、簡単につけれるように見えますが、意外にこちらに時間やお金がかかるとのこと。水はけ対策のゴムロール埋設や丸太組み、礫を敷いたりと支線も侮れないようです。

 僕らが作業する北海道ではあまりその実感はありませんが、本州の急峻な山だとそうなるようです。 

 良いポイントは、支線は作業後は自然に戻してもいいということです。それでも使い続けていくと固まり植生が回復しにくくなると思います。なんといってもこいつが入って、ようやく木を出してこれるようになりますね。 

 

 ★北海道にある僕の山では、正直、幹線も支線も一緒な感じです。

 だって、なんですもん。参考までにピップなカバ林の等高線を。

 これはなんか、もうね(笑)

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 支線からさらに「ひげ道」というのもあるのですが、長くなるのでとりあえずここまで。

 

 

★では、もう一度、記入された冬路山の図面を見てみましょう。

 尾根を見つけて〇(赤丸)をつけて、次に谷(水が流れるエリア)は直接線(水色)を描いて入らないように気を付ける場所、を書き込みます。

 あとは〇をつけたエリアにヘアピンを描き、〇と〇をつなげていくと、、、、

こんな感じの幹線(緑色)になりました。

 途中、上部の急なこう配の場所は「現地に行ってみないとわからなんなぁ、厳しいかなぁ」と言ってました(笑)

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岡橋先生作成

 

・・・これを見ていつも思う。とにかく、僕もどかっとこれだけ一つの山をやってみたいです。

あんな赤四角枠って等高線が2~3本しかないですもん。

どなたかどかっとお貸ししてくださる山主さまはいらっしゃいませんかね(笑)

 

とりあえず本日はここまで。