ミステリーランチ×野営(冬のキャンプ)
しみずです。
いつにも増して「です・ます」「だ・である」調が複合されており、読みにくいかもしれません(笑)わーっと書いてしまい、その後、直す気がないのです(笑)
前回はミステリーランチ・ランバージャックカスタムを紹介しました。
今回は、野営用にしているミステリーランチ・マーシャルです。
マーシャル MARSHALL | MYSTERY RANCH(ミステリーランチ)公式サイト
ハンティング用のリュックで、104リットル+オーバーロードの機能がついており、別売りのロールトップホウラーH2Oプルーフ40リットルを、使用すると、144リットルがきちっと綺麗に詰め込めます。またこれの耐荷重は“ 最大耐荷重=あなたの体力の限界”となっており、素晴らしい漢気リュックなのがわかりますね。
1泊二日になぜこんな大容量が必要なのか。とsnsでもコメントがありました。
理由は二つあります。
1つ目。
1泊二日なら3泊4日の装備を持っていくべし。という自分ルールがある。
遭難した時、悪天候等で下山ができなくなった時に、3泊の食料が確保できていたら非常に心のゆとりが持てる。生存確率が上がる。そのための食料が詰め込まれている。
後で紹介しますが、調味料も入っているため、食料が切れた際は、昆虫(冬ならカミキリムシの幼虫や蜘蛛)や爬虫類(冬のヘビ探しは非常に困難)などの素で食べると不味い生物も美味く調理できるので、実際僕はこれで1週間以上は山で生きていけると思っている。
また、余裕があれば遭難した人にも食料を分け与えることができる。
2つ目。
誰かを救助できる。
山での遭難は年間約3000人、死亡者は300人前後(下図参考)と、山で悲惨な事故に合っている方も多い。大好きな山でこうした不幸を一件でも無くしたい。それは林業でも一緒。
もし骨折して動けない人がいたらどうするか。ビバークしている人に出くわしたらどうするか。マーシャルならオーバーロード機能を使って、楽におんぶできる。
安静にして置く場合は、暖かい毛布などで体温を保存しておける。これも後ほど紹介するが、マイナス30度を下回る環境でも耐えうる装備にしているため、何泊も山で泊まっていても寒くない。とにかく保温しながら救助を待てる装備or担いで下山して救助を求める装備か、どちらも状況に合わせて選べるようにカスタムできるのがこのリュックの素晴らしいところ。
木こりは山にも人にも優しく、そして様々な自然界の困難をきり抜けるスキルと度胸が必要だ。
という点で、一人だけが楽しめる装備なら半分の50リットル程度で良いのだが、万が一に備え、いつでもフリーの救助隊になれるようにしている。山で一人動けない絶望は想像できるからこそ、誰かの助けになれるように。
★★★★装備品★★★★
衣食住の順番で紹介していこう。
★★★服装
●2年くらい前から林業でも活躍できる超絶快適なレイヤーシステムを構築しているメーカー、ファイントラック(国産アウトドアブランド 株式会社ファイントラック(finetrack)さんのあれこれを使っております。
ファイントラック東京ベースさんに遊びに行ったときの様子。
このサイトにある、L1、L2、L3、L5を着ている。この順に重ね着すると汗や体温の調節がうまくできて快適ですよというシステムだ。
こちらは移動中の服装です。雪山では汗をかきすぎないようにするのがポイントですが、僕は汗っかきなので割と無理。動いているとき少しでも快適にしたいという方は参考までに。ちなみにこれ雪山行かない日でも、毎日着てます(笑)
汗の不快感を感じない、すぐ乾く、動きを制限しない、寒くないのがとてもいい。
・L1=ドライレイヤーウォーム | 国産アウトドアブランドのファイントラック
・L2=メリノスピンサーモ | 国産アウトドアブランドのファイントラック
・L3=ポリゴンアクト | 国産アウトドアブランドのファイントラック
・L5=エバーブレスアクロ | 国産アウトドアブランドのファイントラック
L4にあたる部分はティートンブロスという別メーカーのツルギジャケット。
Tsurugi Jacket KB|メンズシェル|アウトドアブランド Teton Bros.
このツルギジャケットは、夏場の雨でも利用できます。クライミング仕様になっているのでストレッチ性はもちろんのこと、雨天の湿度の不快さをこの最大級のベンチレーションにより突破してくれることと、他のレインコートにはない水に当たっても不快さを感じにくい部分がある。
超絶大容量ポケットがすごい便利。手袋を脱いでさっとしまえるし、胸の部分にあたるのでポケットに入れたものを自分の体温で保温しておくことができる。
僕はこの大容量ポケットをポシェットのように利用するのが一番便利で、そのためにL4はこのシェルを装備している。
ちなみに、ティートンブロスを知ったのは、東川に大雪山を攻略するギア専門店がある。ぜひ遊びに行ってみてください。
こちらの林拓郎さんから紹介いただき、その機能性に驚きました。オールシーズン使っています。
前回ブログで熱く語ったギアに譲れないファスナー部分。
これはやっぱり壊れました。1年くらいかな。林業やってるとファスナーすぐ壊れるんだよね。チェンソーの油汚れで撥水は消えましたが、雨天時の不快感はやっぱりまだ軽減できています。素晴らしい。いま修理できるかどうか見積もっていただいております(笑)
また、こうしたインナーや靴下などの着替えは、
スピフキット ラージ SPIFF KIT LARGE | MYSTERY RANCH(ミステリーランチ)公式サイト
に入ります。前回の林業のメンテナンス道具を入れていたバッグですね。
服になると二泊分の下着や、コンタクトや髭剃り、歯ブラシまで詰め込めます。
どう考えて入らなさそうな容量がきちんと入ります。ホテルに泊まるならこれだけ持っていけば大丈夫ですね。
●静止時はダウンジャケットにしています。
マイナス30度を下回る山なので、服装の選択は大切です。
焚火をする、料理をする、くつろぐ等、座ったら最後。めちゃくちゃ体が冷えます。上記の服装でも冷えます。
そこで、L5の部分をダウンジャケットに換えます。これでめちゃくちゃ暖かく快適です。ズボンもダウンズボンに換えます。
濡れたら最後なので、座る部分にはブラウンケットを敷いてお尻も濡れないように試してみましたが、これがまた正解でした。ダウンは最強ダウンを謳っている
NANAGA WHITE LABEL(ナンガ ホワイト レーベル)| Moonloid
旭川から20分北上した場所に、当麻町があり、当麻キャンプ場横に新しくオープンしたナンガショップがありますので、こちらもぜひ遊びに行って試着してみてください。
着たらわかります。ちょっとでも動いたら汗かくくらい暖かい。いや暑っついです(笑)
これはマイナス30度イケるなって思えちゃいます。実際マイナス20度までなら肌着にこのダウンだけで暖かいです。
暖かさにベクトルが振り切ったダウンです。しかし、山の中でのナンガダウンの弱点は、生地が破けやすいこと。
枝や木の擦れで一発で破けます。これを着たら激しい作業はしないことをお勧めします(笑)火の粉にも弱いです。気をつけて。
林業やるとき来ているタフなダウンは、アウトドアリサーチのダウンジャケットを仕様しています。あれは破けにくいなぁ。
●靴下は色々試しましが、今一番しっくりきているのが、
DexShell(デックスシェル) 防水通気靴下 Hytherm Pro socks (ハイ サーモ プロソックス) DS634 オレンジストライプ。
暖かいうえ、防水がしっかりしており、汗をかいても暖かく保ってくれている優れものです。移動中は汗で冷えることがないので、冬山ではありがたい機能ですね。
●靴は昔からソレルのブーツ。ただ林業用に併用もしており、木材や木くずなどの擦れにより残念な姿になる。補修ボンドを塗ったくりまくって何とかしているが、限界。
冬山の野営と林業に適したブーツで何かいいのがあれば教えてください。中敷きを交換できるが、外側がボロボロになるとより濡れやすくなる。
こうした穴が開き濡れることもあるから、上記の靴下との相性がいい。
●手袋は好みですね。活動時と静止時と分けて合った方がいいですね。濡れた手袋履いていると手が死にますので。
今回使ってみてよかったのが、OutdoorResearch(アウトドアリサーチ)の「トレンセンデント ダウン ミット(Transcendent Down Mitts)でした。非アクティブ時に手を限りなく温めてくれる優れたグローブでした。なんかするとすぐ破けます(笑)。指先が破けました。
手以外にも、寝る前にバッテリーや、スマホを入れて保温してみましたが大成功でした。この日は最低マイナス8.6度でした。一晩でスマホの電池は79%でキープされました。寝る時にポケット入れると固いし、スマホは別な場所に置いておきたいけど寒すぎてバッテリーの低下が心配な時はこのグローブにいれておけばいいですね。
★★★食べもの
食料品やクッカーなどは、
ゾイドキューブ ミディアム ZOID CUBE MEDIUM | MYSTERY RANCH(ミステリーランチ)公式サイトに入れてパッキングしている。かなり収納力があり、木にも吊るせるようになっているので便利。2つ使って、食べ物用とクッカー調味料用とわけています。
携帯食料は、チョコや、ゼリー。
飲み物系は、ポタージュやココア、玉ねぎスープ、コーヒー、味噌汁。
飯は、メスティン飯、いなばのカレー缶、アルファ米。
僕がお勧めなのは、まずお味噌汁。これ釣ったニジマスをチタタプしてオハウにするときに超絶便利。変な話、北海道で採れた生物は、チタタプしてオハウにしたら全部食える。絶対ヘビとかウサギとか、緊急事態の時に食べちゃいたくなるような生物を、とにかくチタタプして味噌汁にぶち込んどけば全部美味しくなる。
つまり、携帯味噌汁が切れた時、死を意味する。それくらい重要。
過去に、友人とキャンプ場でやった時の動画↓
あとローカルすぎて知らない方も多いと思うのでここで宣伝しておきます。
●(「メスティン飯」って知ってる?メスティンで簡単に炊飯できるお米の炊き方)
当麻町の美味しいお米が真空パックになり、1号分が携帯できるお勧めキャンプ飯です。携帯性もとてもいいんですが、何よりめちゃくちゃお米が美味い。甘い。ふっくらする。これほんと自宅の炊飯器よりも、びっくりするくらい甘味うまみふっくら炊ける。野外でこんなおいしいお米食えるなんて幸せだー!!ってなるので、ぜひ一度、試してみてほしい!!!東京人にもぜひ、食べていただきたい。ゆきさやか、ゆめぴりか、ブランドと三種類ありますが、全部1種類ずつ買っておけばいいと思うよ。
2つめのパックにはクッカーや調味料やら。クッカーが二つあるのは予備用や同時に調理をするためですね。バーナーは寒さと風に強い、ウィンドマスター
マイクロレギュレーターストーブ ウインドマスター SOD-310 | SOTO | OutDoor Gear
を使用してます。
調味料でおススメなのは、「ほりにし」と「マジックオイル」。
僕は料理が下手なので、とりあえずこれだけぶっかけておけば全部美味くなるよねってやつを重宝してます。とくにあの生臭いアオダイショウ(ヘビの仲間)をいかに美味しく調理できるかという基準です。北海道の山でサバイバル食料といったらやっぱりヘビですからね。
肉には、ほりにしぶっかけとけ!↓
アウトドアスパイス 「ほりにし」 【アウトドア/キャンプ/BBQ/調味料/料理】 | ほりにしの通販 | Orange
魚には、マジックオイルで炒めておけ!↓
2本セットMagicOiL マジックオイル (調味料オイル) | TiL (ティル)
ヘビには両方使っておけ!
★★★住、テントですね。
マーシャルの外部ポケットは2つあり、一つにこれだけ入ります。
ファイントラックのカミナドーム2というテント一式、ポール、ペグ、グランドシート、シュラフ用のアウターカバーが入ります。夏ならこれでテント一式は持ち運べるので楽ですね。
片方のポケットには、今回初めて試してみたカミナドーム専用のインナーシート(下の写真の黄色い部分)、ウィンターライナーと、ダウンシューズと焚き火用グローブが入りました。夏ならこれらは不要なので、片側のポケットがすっぽりと空きますね。
このリュックの最下部は、シュラフ(寝袋)が単体で入るポケットになっており、ナンガの秀岳荘コラボシュラフを入れました。マイナス20度までいけるシュラフで、厳冬期のシュラフでこの性能で、この価格、これが圧倒的に最強です。34000円くらい。ただすごい良いから品切れ中ですね。
このリュック、防水ではないので、地面に置く部分は濡れます。シュラフが濡れるのをふさぐために、最下層に銀シートを敷くことで濡れを防いでいます。
ちなみにこのシートと長いペグと赤いパラコードがあれば、ブッシュクラフトスタイルのタープ泊できますので、夏場はテントがなくてもこれだけで野営ができる優れものです。最軽量の寝床はこれでしょうねぇ。
メインのブースには上記で紹介した食料・着替えのほかに、シートゥーサミットのエアマットやインナーシュラフ、枕、ドローン、アウターの着替えようスタッフバック、救急セット、が入ります。
冬の野営で一番しんどいのが、寝る時に体温が奪われること。
とにかく地面からの熱の奪われ方が凄まじく、背中やお尻が冷え切ってしまうと一睡もできないことがあります。
今回はマイナス30度でも耐えうる装備にしてきたので紹介します。
ただ、当日はマイナス8.6度と極めて暖かく、シュラフ内で汗かいて熱すぎて寝れないくらいでした。寒いより暖かい方がいいですが、暖かすぎてやや不快になるという。ちなみにストーブも無し、カイロも無しの状態でこれだけホッカホカに過ごせるという素晴らしい結果でした。また30度の時にめがけてチャレンジしてみたら報告しますね。
1)テントの最下層には、NASAが開発した保温性シート。
NASAが開発した超ハイスペックシート! 保温性に優れた「オールウェザーブランケット」レビュー | GetNavi web ゲットナビ
銀側を上にしてみました。こちらの方が体温の熱が反射しやすいか?ちょっとわかりませんが今回はこれでやってみました。
2)そのうえには、ブラウンケット。ブランケットは、雪山で座る時にお尻に敷いてズボンの濡れや凍結を防ぐ役割があり、こうした寒冷地ではかなり使えると実感しました。
3)エアマットは軽量でいてかつR値が高い4.2のもの。寒さに強くて軽い。
キャンプマットS.I.(レギュラー ¥8690 オリーブ): シートゥサミット | ロストアローオンラインストア
4)もう十分だと思ったんだけど、とりあえずやってみるということで。
そのエアマットの上には、キャプテンスタッグキャンプマット。
エアマットとキャンプマットの組み合わせは秋口のハンモック泊にも快適にできる組み合わせです。昨年はこれでマイナス10度を下回る中、ハンモックで寝ました。まぁまぁでしたね
そしてシュラフはインナーシュラフ+シュラフ本体+シュラフカバー。
足元と顔面は必ず冷えます。
そこで足元は、裸足になりダウンシューズを履き、ナンガダウンでさらにカバー。
顔面はニンジャクラバを装備したまま寝ました。
マイナス30度イケる気がしてきました。
野営で大切にしたい部分は睡眠です。快適な睡眠がとれるかどうかは翌日にかなり影響します。今回は、暖かさを保ち、寒くて起きるということはありませんでした。
昔は風の音や動物の足音にびくついて寝れなかったのですが、今はもう山の方が快適で、自宅よりも、熟睡できてしまうという困ったことに。ヒグマにツンツコされても気づかないでしょうね(笑)
★★★その他
●ドローン
小型ドローンも持っていきました。
遭難時に方向がわからない場合、上空からあたりを見まわせることがメリットだと思い実験してみました。
今回使ったドローンはdji Mini2という小型のもので、寒さにめちゃくちゃ弱かったです。すぐ警告がでました。吹雪や強風時は使用できませんね。
あとバッテリーの減りが尋常じゃないくらい早いので、使えるのは5分以内でしょう。つまり2分半だけ上空偵察につかって空間を把握して、残りの2分半で本機を戻し、着陸させないとロストしてしまいます。
でも2分は飛ばせますから、街がある方角がわかり下山する方向はある程度つかめると思います。初めていく山を深く探検する場合などは持って行っても損は無いと思います。夏場ならひとしきり活躍できるでしょうね。
ドローンなどの壊れやすい持ち物を入れるバッグは、内部に衝撃パッドつきの
こちらがお勧めです。ゾイドセル ZOID CELL | MYSTERY RANCH(ミステリーランチ)公式サイト
これにさらにスポンジをふんだんに詰めて持っていきました。もちろんリュックの上側に収納しました。
★上部は取り外してデイパックにできる。
ミステリーランチマーシャルの上部の部分は、取り外して小さなリュックにできます。
重たい荷物はベースキャンプにおいて、軽食や水などをもって軽くあたりを散策するときなどに便利です。
★救急セット
・救急セットは骨折・出血に特化して装備しています。
骨折にはこの簡易ギブス。「応急ギブス君」↓
https://highmount.jp/brands/highmount-hoherberg/oukyu-gips/
息を吹きこみ膨らませることで幹部を固定できます。袋なので枝などに擦れると破ける心配がありますが、簡易で誰でも手当できるので良きですね。
・出血には大量のガーゼを持参しております。山で何か大量の血が出ているときは、「直接圧迫方」以外はありませんから、大量のガーゼで気合で止めてやるしか・・・。
最後に。
寒さを対策できれば、冬のキャンプ・野営は快適です。
気が向いたら、ご一緒しましょう(笑)
ミステリーランチ東京のスタッフさん!使ってきましたでー!
最高のリュックでした!ありがとうございますー!!