しみずです。
至高の1本を追い求め。
いかに森林を、木を傷つけずに、木を伐りだしてくるか。
常に意識しております。
ヘリコプターで樹上を根本からズボッと引きあげられたら、残された木は傷つきませんし、理想なのですが、燃料代や経費やらを考えると全く持って現実的ではありません。
じゃぁもう人間が登るしかねぇ。という結論に達したわけです。
先に樹木の枝を落とし、電柱状態にしてしまえば、木々の隙間を縫って伐倒ができるので、残された木に傷がつきにくいです。競技種目紹介日本伐木チャンピオンシップ Japan Logging Championshipsの伐倒競技で利用されるアレですね。
広葉樹は広範囲に広がった枝がやっかいです。
20mありますので、20mの範囲の木に必ず傷がつきます。
残された木に大きく傷をつけると、弱ったり、虫が入りやすくなったり、材が変色したりとその後の数百年、かんばしくないでしょう。
その枝をとりあえず落としてしまえば、あとは伐倒主の腕の見せ所。
立木の隙間にきちっと倒せばいいのです。
木の重心を考える上で、枝の割合は大切です。
全部伐ってしまうと、木が倒れにくくなります。
牽引具(プラロック)や補助器具(くさび)を使って倒すこともあります。
なので、簡単そうに見えてちょっと難しい伐倒です。
そこまで丁寧に伐った木は、家具やクラフトになります。僕が伐りだした木は、日本一大切に出したい、大切にされていたい。そんな思いでここまでやります。
昔から変わらないポリシーで、超絶丁寧に伐りだします。
木は良いものです。
しかし、残された森が持続し、かつ育成されなければいけません。
木、以上に、残された森林が良い状態を保つ。
そのための技術です。
そうした、至高の一本を追い求める夢を手伝ってくれるのが、
ミステリーランチテラフレーム50。それを高所伐採仕様にカスタムしたのが、アーボカスタム。
ペツルの30リットルにリギングロープやポータラップを入れたものを、オーバーロードし、本体の50リットルにはハーネス一式、クライミングロープ40mが2本入っております。ヘルメットを外付けしておくオレンジのカバーには、スローラインが2セット入っております。
50リットルと小さめなリュックですが、僕の中では、最重量です。
31.5㎏あり、冬山をスキーを履きながら歩くとさすがにしんどいです。転んだら起き上がれない(笑)
今回は家具材の白樺を出すのに使用しました。
一人でやる場合は、ペツルの30リットル装備は不要です。グラウンズマンが不在なので。
なのでペツルの分は、バッテリーチェンソー(ハスクのT540iXP)と、そのバッテリー2個(BLi200X)と、前回紹介した小物入れのスピフキットラージを詰めました。
やっぱり漢気(人力)が一番環境にやさしいですよ。人にはキツイですが。
★白樺にツルアジサイがこれでもかというくらい巻きつき、樹形がわかりにくかったので、ツルを全部撤去したのち、家具職人さんに見ていただきたかったのです。
今回も美瑛町にあります、樹凛工房の職人、杉達さんに立ち会っていただき、選木しました。
ツルを採ると、樹形がわかりやすくなるのと、枝も多少伐ることで伐採するスペースが生まれました。
左がビフォー。右がアフター。(スマホでご覧の方は上がビフォーで下がアフター)
こんな感じで、行く手を遮ってくるツルアジサイ。白樺なのに、針葉樹の枝打ちをしているみたいで、時間がかかりました。
スッキリしたら、良い空間が生まれました。
とまぁこんな形で、木に登ってから伐倒するということが可能になります。
やっぱり広葉樹林は長寿命ですから、伐採の時に周りを傷つけないというのは絶対意識した方がいいですねー。これができている山は、将来差がでると確信しております。
流石に重たすぎるため、3tの小型ユンボで出しました。ユンボが頼りないくらい小さく見えますが、これでもパワフル。幅も1.55mしかないので道をつけながら集材ができるので、環境保全型林業には最適の機械ですね。
スノーモービルは無理でした。
伐りだしてすぐ製材に回していただきました。
この白樺材はまた数年後、家具に生まれ変わります。
楽しみですねー。
ぜひ、美瑛の樹凛工房さんもチェックしてみてください★
ブログ↓
大雪山麓~樹凛工房 Retakkarダイニングテーブルの天板
WEBサイト↓
山であきらめたくない方、ご相談承ります。
それではまたー。