里山部-satoyama-活動(東鷹栖)

小さな森の山主が始めた個人事業ブログ

二風谷にて ラスト

しみずです。

 

ちょっと間が空いちゃいました。スイマセン。

続きです。

 

絶好調だった昨日とはうってかわって、翌日の樹木は全部が全部、かなりの危険木でした。

 

何がっていうと、この場所は木が生えている真後ろは住宅地なんです。

そして森と住宅地を挟むフェンスをほぼすべての木の枝や幹が、フェンスを越えて住宅地に傾いているのです。 まぁ、径25cm以下の木なら、なんとでもなります。

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しかし、ここらから、伐根直径が40cmを超え、樹高も25mくらいになり、かつ枝葉がほぼ住宅側に突出している状況。

様々な樹木の幹が絡まり、伐る順番も、考える必要があり、途中でこのでかいサイズを伐らざるを得ない状況にでました。

作業スペースが狭い中での伐倒でした。

狭いために北欧式の伐倒ができずに、とりあえず日本式の追いづる切りで行ってみるかと思って、追いづるを伐った瞬間。。。

 

ギギッ・・・と木がまさかの住宅側に傾き、チェンソーが挟まれたのです。

 

たぶんヨーロッパアカマツ。初めて対峙した木です。

材質や、枝による重心のバランスを知るのも、初めての木でした。枝は多く住宅側に突き出ていましたが、そんなに重くないだろうと思っていたんです。

 

久しぶりに冷や汗がでました。このサイズのが住宅地に落ちたら家は倒壊します。

ただ、一応、こうなることを見越して、追いづるの角度を急角度にしたのと、ツルの厚みを通常の2倍以上にしていました(後ろに傾いた際にツルが切れないように)。

 

見越していたのですが、いざ、真後ろの住宅にこのサイズが傾くと非常に生きた心地がしませんでした(笑)ものすごい頭をフル回転させて、次と次と次の一手を考えて、慎重に作業しました。

 

しかし、この伐採作業自体、全てにおいてチルホールを活用していたため、クサビ打ち込み傾きを修正するとともに、チルホールを使って住宅地と反対側の広場に向かって無事に倒すことができました。

 この成功は、最近、休みに僕の仕事を手伝ってくれる素敵なバディが居たおかげです。焦った時ほど、冷静に状況判断してくれる役が必要です。

 最初は、もちろん全くの素人さんでしたが、林業の場に何度も付き合ってくれたおかげで、完全にプロレベルの思考で作業できるようになったバディです。

 

そうして、チルとクサビを叩きこみながら、無事にやりとげました。

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そのあとは、この木の材質を僕がインストールできたので、全部北欧式伐倒で倒せました。

日本式で覚えた伐倒って、ほぼほぼ役に立たないのはなんでか。

ハスクの伐倒本に書いてあるものをベースに、北海道の樹木の材質、形状に合わせたアレンジした伐倒の方が絶対的に安心できます。もう、北海道ならではの伐倒スタイルを定着させていった方がいいですわ。

 

こうして状況に応じては木に登ってチルホールのワイヤーをかけたりと、

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木の強度や重心感覚がわかれば、もう大丈夫です。

小屋横に倒すのも、安心してできました。

バディガールと一緒に、チョウセンゴヨウの木。これでも50年生。

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伐倒している間は、伐った木はガンガン皮むき部隊により皮をむかれていきました。

かなり大量に樹皮剥ぎできたようです。

 

そして、あっという間に日が暮れて チセに戻りました。

 

チセに戻ると、

 

今日のワークショップで事故無く、怪我なく終われたことを感謝するため、イナウをアペフチのもとへ送りました。

このイナウは、このワークショップ期間の無事を込められたものでした。

 

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こうして平取の非日常的でありつつ、実は当たり前だったこの自然との付き合い方にどっぷりとひたり。。。

 

心が迷いなく透き通った気持ちで旭川に帰ることできました。

でも、旭川についたとたんに、この感覚が一瞬で奪われたのです。森以外のモノが邪魔だったんです。

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だから平取でこの気持ち、感覚を共有した20,30代の人たちで、この気持ちを忘れないためにも、里山部にもアペフチを呼ぼう!!

 

というなんとも無謀な計画を、平取温泉でしたのです(笑)

それはどうなったかというと、、、、次回は特別篇、里山部の森にカシを作る!!

 

 

本編は終わります。

こちらの活動はNPO法人ハチドリさんが主催する、アイヌの家「チセ」を建てるワークショップ第一弾の内容です。この企画は連続的に開催され、随時参加者を募集しております。